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俳優に演技は要らない!ジャンルなんて関係ない!『ウルヴァリン』監督の演出術(1/2)

俳優に演技は要らない!ジャンルなんて関係ない!『ウルヴァリン』監督の演出術
ジェームズ・マンゴールド監督

 ヒュー・ジャックマン主演の映画『ウルヴァリン:SAMURAI』のジェームズ・マンゴールド監督が、自身の演出術を語った。「この手の大作で一番難しいのは、Tシャツや車のような既成品という印象を観客に与えてしまいがちなことだ。多くの人が関わっていながらも、それを貫く一人の視線がある。つまり、パーソナルな作品にするのは難しいことだったよ」という彼の口ぶりからは、一人の芸術家としてのこだわりが確かに感じられた。

 これまで『17歳のカルテ』『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』といったドラマ作品を手掛けてきたマンゴールド監督とアメコミ原作の『ウルヴァリン』の組み合わせは意外に映るが、そうした周囲の目にマンゴールド監督は否定的だ。「わたしはレコードショップでCDがジャンルごとに分けられているのはあまり好きじゃないんだ。結局そうしたカテゴリーというのはマーケティングのために作られたもので、その作品の本質とは関係ない。むしろわたしとしては、一つのジャンルにこだわる監督がいる方が不思議だよ」と肩をすくめる。

 言ってみれば、物事の本質を追い求めるとでも言うべきその態度はカメラの後ろに立ったときも変わらない。「監督の仕事は、俳優たちが本当の自分をさらけ出す手伝いをすることだ。カメラはX線のようなものであり、俳優はその前で自分を偽ったり、取り繕ったりすることはできない。それなのに俳優たちは演じようとするんだ。それは観客や批評家、時には俳優自身さえも、俳優を評価するときに『映画の中でどれほど違って見えるか』という尺度に頼りがちだからだろうね。けれど、わたしはその正反対だ。わたしが撮りたいのは俳優その人であって、彼らの演技プランじゃない」と断言する。

 そんなマンゴールド監督だからこそ、日本を描く際にもステレオタイプではなく、その本質を描くことに腐心した。「日本を題材にした外国の映画にありがちなのは、女性はあくまでも恋愛の対象であって、弱い存在として描かれることだ。でも、男ならばそれは違うということはわかるだろう?(笑) 女性は強い存在だよ。おそらくは男性よりも、はるかにね」というマンゴールド監督が本作のために見いだしたのは、マリコとユキオという2人のキャラクター、そしてTAOと福島リラという2人の日本人女優だった。「なぜ彼女たちを抜てきしたのか?」という質問にマンゴールド監督は「わたしは彼女たちに会って、好きになった。それが全てだ」と答える。「カメラを通じて、彼女たちの目の奥にあるものを撮りたくなったんだ」。


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