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中国の巨匠チェン・カイコー監督が3年ぶり描いたインターネットの中傷を描いた新作とは?

中国の巨匠チェン・カイコー監督が3年ぶり描いたインターネットの中傷を描いた新作とは?
チェン・カイコー監督

 映画『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』、『始皇帝暗殺』のチェン・カイコー監督が、新作『コート・イン・ザ・ウェブ(原題) / Caught in the Web』について語った。

 同作は、美人秘書の葉藍秋(ガオ・ユアンユアン)が、ある日病院でリンパがんを宣告されぼうぜん自失に陥っていた帰りのバスで、老人に席を譲らなかったために他の乗客とトラブルを起こし、そのトラブルをテレビ局の女性がスマートフォンで撮影しニュースとして流したことから、さまざまな問題が巻き起こるというもの。チェン・カイコー監督が映画『運命の子』以来3年ぶりにメガホンを取った新作。

 まず、製作経緯について「中国ではインターネットを通して政治の腐敗やテレビ番組のずさんさを暴くことなどは頻繁にあるが、全くそういったことに関わりのない無実の人でさえもインターネットで中傷されたり、ジャッジされたりする傾向があり、そんな中傷を表現の自由として正当化してしまうのは問題ではないかと思っていた。さらに、そんな極端なインターネット上での中傷が、自殺や殺人につながる重要性も理解してほしかった」と明かした。

 映画内で興味深いのは、葉藍秋が老人に席を譲らなかった理由を一般の人は言及せずに批判ばかりしている点だ。「このような出来事をニュースや動画で流しても、最終的に映像の真実は、一般の人には全てはわからないことが問題だと思っている。大概の視聴者はこのような映像を観て、一部の真実しか理解していないか、あるいは全く何も理解していない。そんな中で中傷していることを、人々は理解しなければいけない」と答えた。

 主演ガオ・ユアンユアンのキャスティングについて「彼女に関しては、キャスティングするまでほとんど知らなかった。でも彼女は、非常に純潔な目をしていて、映画内で映像によってさまざまな問題に巻き込まれるときでさえも、(彼女の目を通して)観客が彼女の繊細な表情に共感を持ってくれると思った。演出では、撮影前に事前に彼女に自分の意図を明確に伝えて、僕がやろうとしていることをしっかり理解してもらってから撮影を進めた」と語る通り、その入念な演出が主役ガオの演技に見事に生かされ、彼女の精神的内面が興味深く描かれている。

 映画は、インターネットの影響力とそれを利用してニュースを伝える人々の道徳観を追求した作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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