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東宝東和ホラー『ファンタズム』伝説の「ビジュラマ方式」が34年ぶりに復活!

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当時の過激宣伝を振り返った檜垣紀六氏と竹内康治氏(左から)
当時の過激宣伝を振り返った檜垣紀六氏と竹内康治氏(左から)

 石川県金沢市で開催中の「カナザワ映画祭 2013」で14日、映画『ファンタズム』(1979)の上映が、34年ぶりに復活となる伝説の「ビジュラマ方式」で行われた。

 今年のカナザワ映画祭は、映画上映時にさまざまな仕掛けが繰り広げられる「ギミック上映」を特集。2日目となるこの日は「伝説の東宝東和作品」と題して、『サンゲリア』『バーニング』そして『ファンタズム』という3本の東宝東和ホラー作品を上映。『ファンタズム』上映時には、諸般の事情により同作のホール試写会で1回きり行われただけだという「ビジュラマ方式」が、元東宝東和宣伝次長・竹内康治氏の監修のもとに完全再現されることとなった。

 「ビジュラマ方式」とは、客席上空を鉄球(らしきもの)が飛び交い、黒いフードをかぶった悪魔が客席やスクリーン下を横切るなど、画面で起こった出来事を劇場内でも同時に起こそうという趣旨で行われるもの。どれも手作り感満載のギミックながら、観客を楽しませようという「おもてなしの心」に満ちており、これには会場の観客も大満足だ。

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 竹内氏によると、同方式は、本作の監督であるドン・コスカレリが来日した際「次の映画(『ファンタズム』)は映画館をお化け屋敷にして、お客さんを楽しませたい」とリクエストしたことから生まれたのだとか。「実際には、34年前はあまりウケなかった。前の方の人はいいんだけど、後ろの座席の人には何が起こっているのかわからなかったんだよね」と笑ってみせる竹内氏。

 しかしそういったハッタリ宣伝こそが、かつての東宝東和宣伝術の真骨頂。この日は、数々の同社作品のポスターなどを手掛けた広告図案士・檜垣紀六氏も来場し、竹内氏とともに豪快な宣伝エピソードを披露。「試写会では、絶叫・失神で倒れる人をあらかじめ仕込んでおき、恐怖作であることを大々的にアピールした」「『ランボー』のポスターに、本編には出てこない都会の景色と熱海の夕陽を付け加えた」「『バーニング』のポスターで逃げ惑う女性たちは、東宝東和の女性社員で代役」「タイトルは4~5文字で、濁音と“ン”を必ず入れる」などなど、まさに東宝東和マジックというべき破天荒な迷(?)宣伝術が次々と明かされるたびに観客は大爆笑。映画ファンには至福のひとときとなった。(取材・文:壬生智裕)

「カナザワ映画祭 2013」は9月16日まで金沢都ホテル(旧ロキシー劇場)にて開催中

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