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『もうひとりの息子』上映会で感動の瞬間 イスラエル特命全権大使とパレスチナ駐日大使が固い握手

『もうひとりの息子』上映会で感動の瞬間 イスラエル特命全権大使とパレスチナ駐日大使が固い握手
固い握手を交わすイスラエル特命全権大使のルート・カハノフ氏(左)とパレスチナ駐日大使のワリード・アリ・シアム氏(右) - 中央はロレーヌ・レヴィ監督

 21日に国連が制定した「国際平和デー」を記念して28日、港区のユニセフハウスで第25回東京国際映画祭グランプリ受賞作品『もうひとりの息子』の上映会が行われ、来日したロレーヌ・レヴィ監督が出席した。トークショー後にはイスラエル特命全権大使とパレスチナ駐日大使も登壇し、固い握手を交わす場面もあった。

 本作は長きにわたって対立関係にあるイスラエルとパレスチナを舞台に、出生時に取り違えられた子どもをめぐる、二組の家族の困惑の日々を描いた感動作。トークで撮影を振り返ったレヴィ監督は、衝撃的かつデリケートな題材だけに撮影前は強い恐怖やプレッシャーがあったことを明かし、「イスラエル人でもパレスチナ人でもないわたしがこの物語を語る資格があるのかとも思いました。でも、だからこそ不安に打ち勝つために作品の準備に数か月かけました」と説明。パレスチナやイスラエルに4か月も住んで調査したそうで「多くの家族と会いました。そういう意味で、この映画の準備はとても感動的な出会いになりました」と強い決意で臨んだことを明かした。

 脚本の完成までにかけた月日は実に3年。現場の様子を語るレヴィ監督は「いろんな(国籍の)人が集まりミックスされたスタッフでした。だからこそ、いろいろと考えさせられる作業でした。そういう意味でわたし一人ではなく、スタッフ全員で作った作品だと考えています。人生で最大のアドベンチャーでした」と胸いっぱいの表情。本作に込めたテーマについても「親子関係といったときに、血縁だけなのか、それともハートで感じるものも親子関係になりうるのか。そういうこともこの映画で示したつもりです」と真摯(しんし)に話した。

 イベントの終盤には作品の舞台になったイスラエル特命全権大使のルート・カハノフ氏、パレスチナ駐日大使のワリード・アリ・シアム氏もステージに登壇し、作品から大きな感銘を受けたことを述懐。最後はステージ上で手を取り合い、これには昨年パレスチナを訪問し日本ユニセフ協会大使を務めるアグネス・チャンも目からボロボロと涙をこぼして感激しきりだった。(取材・文:中村好伸)

映画『もうひとりの息子』は10月19日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開


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