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コミューンの代表が子どもたちに初体験を強要…被害者でもある監督が手掛けたドキュメンタリーとは?

コミューンの代表が子どもたちに初体験を強要…被害者でもある監督が手掛けたドキュメンタリーとは?
ポール=ジュリアン・ロベルト監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第57回ロンドン映画祭でドキュメンタリー映画『マイ・ファーザーズ、マイ・マザー・アンド・ミー(原題) / My Fathers, My Mother and Me』が上映され、ポール=ジュリアン・ロベルト監督が質疑応答を行った。

 本作は、オーストリアでオットー・ミュールが1972年に開いたコミューンのドキュメンタリー。コミューンには若者が集まり、最盛期は500人もの人が暮らした。前衛芸術家のオットーは、コミューンのメンバーにパフォーマンスをさせ、自己解放を促す。集団でのフリーセックスも行われ、たくさんの子どもが生まれた。ロベルト監督はそのコミューンで生まれた子どもの1人で、『マイ・ファーザーズ、マイ・マザー・アンド・ミー(原題)』というタイトルは、3人いた父親候補、母親、監督自身を指している。

 自由で楽しそうな若者たちの暮らしの映像は、次第に厳しいものに変わっていく。子どもが増えたコミューンを支えるために、母親たちはスイスに出稼ぎに出され、みんなの前でパフォーマンスをするのが嫌で泣き出す子ども、それに水をかけるオットーという児童虐待そのものの映像も交じり出す。「常に人前で何かをさせられて、それが判定される」という環境に子どもたちは置かれたとロベルト監督は語る。

 オットーは、子どもたちの性教育も担当。年頃になった女の子はオットーと、男の子はオットーの妻と初体験をさせられる。こういったことが問題となり、オットーは逮捕され、1991年にコミューンは解散した。年少だったロベルト監督は幸運にも“性教育”は免れたが、本作には、あがめていたオットーの妻との初体験がトラウマとなり、今も性関係で問題を抱える人も登場する。

 「映像を見ていると怒りが込み上げてくる」と切り出したロベルト監督は、「最初の10年は、性的虐待などはなかったと否定する人も多かった。でも、虐待があったのは明らかなことだ。この映画で僕の意見を公にしたかった」と製作の動機を明かした。赤ん坊だった監督とその母親の映像で始まる本作は、若かりし日にコミューンに入ることを選んだ母親と、その母に問いを投げかける息子の物語にもなっている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)


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