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子を持たない女性は不幸なのか?『四十九日のレシピ』タナダユキ監督が語る女性としての本音

子を持たない女性は不幸なのか?『四十九日のレシピ』タナダユキ監督が語る女性としての本音
『四十九日のレシピ』のタナダユキ監督

 子どもを持たない女性の人生には余白が多いのか? 映画『四十九日のレシピ』が投げ掛けるテーマは、伊吹有喜氏の原作発売当初から女性たちに自問を突き付けてきた。タナダユキ監督は「子を産む、産まないの選択を含めて、子を持たない女性は不幸なのか? ということが公で語られる場が日本には少なく、何でこの根深い問題を議論してこなかったのかとがくぜんとしています。自分の反省も含めて、議論される良い機会になれば」と本作に期待を寄せる。

 前作『ふがいない僕は空を見た』に続き、不妊の悩みを抱えた主婦を主人公にしたタナダ監督。本作の主人公・百合子(永作博美)は、実子を産まなかった養母の四十九日を準備しながら、子を持たなかった女性の人生を思い、自分の歩む道を考えることになる。

 2作続けて不妊が題材になったのは「たまたま」だそうだが、いや応なしに自分の人生を振り返えらされたというタナダ監督。彼女自身、38歳の独身で子どもはいない。30歳代前半に子宮内膜症を患い、現実を突き付けられたこともある。だが、その後は仕事に追われ、本人いわく「ぼんやりしているうちに」今を迎えた。

 タナダ監督は「産みたくても産めない女性がいるのに、自分はチャンスがありながら放棄していることに負い目があります。一方で、何としてでも子どもが欲しいという気持ちもなく、女性という生物として自分は何か欠落しているのでは? と思うことも。その両方の考えがぐるぐると頭の中で回っています」と本音を明かす。

 最終的には毎回、経済的な問題も含めて「一人の人間を育てられるのか?」という問いに行き着くという。しかし、本作で義母・乙美の「お母さんって、よくわからないんです」というセリフにハッとさせられたそう。「わたしの母も26歳で姉を産み、きっと“お母さん“というものを自分なりに模索していったのだと思う。だから、間違えることがあっても仕方がないのかもしれない。でも今は子どもが何か問題を起こせば母親ばかりが追いつめられ、母親に課せられる責任があまりにも大きい。だから世の中のお母さん全てに、このセリフを伝えたいと思った」と語り、とりわけその場面を大切に描いたという。

 タナダ監督は「わたしぐらいの年齢まで来たら、人生で一度立ち返る瞬間もあると思うんです。でも過ぎた時間はもう取り返せない。では、これからの人生をどう肯定していったらいいのか? ということを自分自身も考えたいと思う。でも、体力面も考えると現実的に出産はもうないかなあ」と複雑な女心をのぞかせていた。(取材・文:中山治美)

映画『四十九日のレシピ』は公開中


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