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戦友の死に後悔はない…最悪の作戦から一人生還した元シールズ隊員が告白

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ナビゲーターを務めた別所哲也と元シールズ隊員マーカス・ラトレル
ナビゲーターを務めた別所哲也と元シールズ隊員マーカス・ラトレル

 米海軍の特殊部隊ネイビーシールズ史上、最悪の悲劇といわれた実際の作戦を映画化した『ローン・サバイバー』の試写会が都内で行われ、この作戦からただ一人生還した元シールズ隊員、マーカス・ラトレルが出席した。作戦についてマーカスは「わたしたちは自分たちの命をかけた決断をした。それについて、今も後悔はしていない」と極限状況を振り返りながら語った。この日は、俳優の別所哲也もナビゲーターとして登壇した。

映画『ローン・サバイバー』フォトギャラリー

 マーカスは2005年6月、ビンラディンの側近でタリバンのリーダー、アフマド・シャーを殺害するミッション“レッド・ウィング作戦”のため、仲間の隊員と4人でアフガニスタンの山岳地帯に潜行。途中、民間人のヤギ飼いに遭遇し、タリバンに通報される危険をなくすために彼らを殺害するか、それとも解放するかで激しく葛藤(かっとう)する。そして自ら下した決断によって彼らは200人を越えるタリバン兵の襲撃を受け、3日後、マーカス一人が奇跡的に生還を果たした。

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 「映画に描かれるのは最悪のシナリオ。でもわたしたちは民間人の命を奪うより、タリバン兵と戦うことを選んだ。4人で話し合い決断したのですから、それを最後まで行うのが兵士です」と淡々と語るマーカス。映画を観た観客から「戦友が亡くなったことに後悔はないか?」と聞かれても「答えはノー。不眠になることもありません。寂しくつらいが、彼らは戦場で誇りある死を遂げた。わたしも仲間の隣で戦って死ねるなら本望と思います」と共に戦い、亡くなっていった3人への思いを静かに語った。

 本作はマーカスの回顧録「アフガン、たった一人の生還」(亜紀書房)を『バトルシップ』のピーター・バーグ監督が映像化。マーカス役をマーク・ウォールバーグが務める。

 現在マーカスは財団を立ち上げ、自宅農場を解放してPTSDなどに悩む退役軍人たちに治療やリハビリのサポートを行っているという。またアフガニスタンで出会ったヤギ飼いの人々とも交流しており「先日アメリカに遊びに来てもらい、一緒に過ごせたのはうれしかった。彼らも誇りあるアフガン人なのです」と最後には穏やかな笑顔を見せていた。(取材 / 岸田智)

映画『ローン・サバイバー』は3月21日よりTOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開

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