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役所広司、最後に残したい言葉は「また会いましょう」

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最後までかっこよく生きたいと語った役所広司
最後までかっこよく生きたいと語った役所広司

 俳優の役所広司原田美枝子が25日、都内で行われた映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』の公開記念特別試写会に、小泉堯史監督、原作者で直木賞作家の葉室麟(はむろりん)と共に出席した。この日は7月より募集が行われていた「『あなたの人生、愛する人に残したい言葉はなんですか?』キャンペーン」応募作の中から選ばれた、“残したい言葉”の最優秀作、優秀作が朗読され、役所と原田も感慨深い表情で聞き入っていた。

役所広司、最後に残したい言葉にしみじみ…フォトギャラリー

 無実の罪で3年後に切腹を命じられた武士・戸田秋谷(役所広司)と、彼の監視を任じられた青年武士(岡田准一)、そして秋谷の妻(原田美枝子)や娘(堀北真希)たちの交流を描いた本作。運命を受け入れた秋谷が「その日暮らしの身」の自分と、晩夏に1日の終わりを惜しむように鳴く蜩(ひぐらし)を重ね、「蜩ノ記」と名付けた日記をつづるのに絡め、「愛する人に残したい思いを文章に」というのが、このキャンペーンの趣旨となり、全国から2,824通の応募があったという。

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 最優秀作に選ばれたのは、大分県に住む80代男性が、長年連れ添った妻に宛てた文章。「一緒になって六十年……お前に喝采を送りたい。……何か出来ることはないか? 目下思案中である」(一部抜粋)という文章が読み上げられると、役所は「最後まで、男もかっこよく生きたいね」としみじみ。原田も「大事なことを大切に伝えようという気持ちが伝わってきます」と感動の面持ちだった。

 「蜩ノ記」をつづる秋谷役について役所は「(この役は)もっと若くてもダメだし、歳をとっていてもできなかった。今、このときに葉室さん、小泉監督とご一緒できたことに感謝したい。夫婦の場面では、いつも原田さんにリードしてもらいました」とコメント。イベントに絡めて「残したい最後の言葉は?」と聞かれると「このままだと、何も残せずに逝ってしまいそうだけど、『また会いましょう。それまでちょっとだけ、さようなら』かな」とちゃめっ気を交えつつ語った。

 最優秀賞1名、優秀賞17名の作品は、本日より映画公式サイトで全文が掲載されている。(取材/岸田智)

映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』は10月4日より全国公開

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