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カンヌ国際映画祭男優賞受賞、映画『秘密と嘘』のマイク・リー監督が構想10年を費やした意欲作とは?

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(左から)マイク・リー監督と主演のティモシー・スポール
(左から)マイク・リー監督と主演のティモシー・スポール

 ニューヨーク映画祭(N.Y.F.F. 52)で、今年のカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞したティモシー・スポール主演、マイク・リー監督の話題作『ミスター・ターナー(原題) / Mr. Turner』が上映され、その新作について二人が語った。

マイク・リー監督映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』写真ギャラリー

 同作は、18世紀末~19世紀にかけて英国で活躍した偉大な画家ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(ティモシー)の創作過程と彼を支えた女性や家政婦などを通して、芸術家の価値観を掘り下げた作品。映画『秘密と嘘』でパルムドールを受賞したマイク・リー監督が構想に10年を費やした意欲作。

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 ティモシーは、ターナーのどの点に惹かれたのか。「彼の体つきや泥くささ、直感的だけどぎこちないところに惹かれた。彼の、美しく素晴らしい荘厳な作品を徹底的に調べることは(個人的に)興味深いと思った」と明かした。具体的なアプローチについては「約2年半掛けて絵画の描き方を学んだから、かなり掘り下げた過程を経ている。実際に肖像画を描き、先生もしている人物の下で厳しい修行を積み、最終的にはターナーの描いた実寸大の絵画をコピーできるまで描けるようになった」と本格的な役作りをしたようだ。

 映画内に登場する19世紀の美術評論家ジョン・ラスキンとターナーの関係についてマイク監督は「ラスキンはある意味、ターナーにとって嫌なやつだったと思う。ターナーは、ラスキンの言動に我慢することもあったが、言葉でやり返すこともあった。でも、今作でラスキンをコミカルな要素として描くことは良いアイデアだと思っていた」と答えたとおり、映画内にはコミカルなやり取りが多く含まれている。

 時代劇を描く上で「今作は通常の時代劇だが、近年の時代劇作品は現代の観客の気質に合わせ、アンティーク調の映像にせず、言葉も当時のものに変えていない。また、女優がコルセットを着用していてセクシーではないから、コルセットをつけるべきではないなどと指摘される。もちろん、もしタイムマシンを使ってターナーの時代に戻ることができたら、今作とはそれほど類似点はない可能性もある。それでも今作は、われわれスタッフが、思い、感じる、できる限りの適正を求めて製作している」とマイク監督が自信をのぞかせた通り、絵画のような映像が映し出されている。

 映画は、印象派を先取りしたターナーの作品の創作過程だけでなく、彼の人間性もしっかり描いたマイク・リー監督こだわりの作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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