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名作の裏に名プロデューサー有り!低予算&無名監督ながらオスカー3冠に輝いた『セッション』が出来るまで

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アカデミー賞3冠『セッション』の製作の裏側を明かしたデイミアン・チャゼル監督
アカデミー賞3冠『セッション』の製作の裏側を明かしたデイミアン・チャゼル監督 - (C)KaoriSuzuki

 スパルタ音楽教師と生徒の攻防を圧倒的なオリジナリティーで描き、3億円という低予算作品でありながら本年度アカデミー賞3冠に輝いた映画『セッション』で監督・脚本を務めたのは、撮影当時28歳で無名だったデイミアン・チャゼルだ。電話インタビューに応じたチャゼル監督が、どのようにしてこの意欲作が出来上がったのかを明かした。

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 本作は、高校時代にジャズドラマーとして活躍するも、厳しい指導者の下で苦悩の日々を送ったチャゼル監督の自伝的な物語。音楽室の悪夢に悩まされてきたチャゼル監督は、「あの頃何よりも重要だったのは、教師との関係だった。あまりにも緊張に満ちたものだったから、それを映画で掘り下げたいと熱望した。生徒をより高い領域へと追い込むのが教師の務めなら、どこまでやれば十分なのか? 誰かを偉大にするにはどうすればいいのか?」と音楽を今までにない角度から捉えた脚本を1年がかりで書き上げた。

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 その脚本の製作に名乗りを上げた唯一のプロデューサーが、『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』で2度のアカデミー賞監督賞ノミネートを果たしたジェイソン・ライトマンだった。「ジェイソンが脚本を読んで気に入って、他のプロデューサー陣にそれを回してくれて、みんなの後押しで製作にこぎ着けることができた。『長編だとなかなか動かないからまずは短編を作ったら?』『作品をサンダンスに出してみたら?』といったアドバイスをくれたのはジェイソンなんだ」。

 ライトマンの読み通り、本作の重要なシーンを抽出した18分の短編は2013年のサンダンス映画祭でアメリカ短編映画審査員賞を受賞した。チャゼル監督は「彼のアドバイスのおかげで長編を作る製作費が集まったから、すごく感謝している」と感謝の言葉を惜しまない。

 鬼音楽教師役にJ・K・シモンズを推薦したのもライトマンで、「短編を作ったことによってJ・Kとの関係も築くことができたし(シモンズは短編からの参加)、本当にすごく手伝ってもらえたんだ」とチャゼル監督。何よりも大きかったのは、ライトマンがチャゼル監督を信頼し、全てを委ねてくれたことだという。「ジェイソンがこの映画のファイナルカット(編集権)を持っていたんだけど、僕に全てを任せてくれたんだ。監督が思った通りに編集できないなんてことはよく聞くけれど、本当に作りたい映画を作れてしまった。ちょっと甘やかされちゃったからこの後が心配だよ」と冗談めかして付け加えた。

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 なお、映画を完成させた今も、チャゼル監督は高校時代の悪夢を見るとのこと。「映画を作ったらすっきりした気持ちになってトラウマが淘汰(とうた)されるんじゃないかって実はちょっと期待していたんだけど、特にそういうものが自分の中で浄化されはしなかったんだ。でもこの作品を作るのにはすごい助けになったよ」と自身初の長編映画の製作を振り返った。(編集部・市川遥)

映画『セッション』は4月17日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて全国順次公開

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