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カンヌ受賞の黒沢清監督、名演出の秘密は「どこに居るかわからない」作戦?

カンヌ受賞の黒沢清監督、名演出の秘密は「どこに居るかわからない」作戦?
黒沢清監督の撮影現場を語った浅野忠信と深津絵里 - 写真:尾鷲陽介

 黒沢清監督が今年のカンヌ国際映画祭のある視点部門で監督賞を受賞した『岸辺の旅』は、主演の深津絵里、浅野忠信にとっても忘れ難い一作になった。切ない運命を受け止める夫婦を演じた二人が、その深い思いを告白した。

 2011年に公開された三谷幸喜監督作『ステキな金縛り』でも共演した深津と浅野だが、当時からお互いの演技への姿勢を意識していたといい、浅野は「次回は深津さんと、もっとがっつりと、濃密な関係の役で共演したいと感じた。同じような感覚で演技に向き合っている気がして、その思いを夫婦役で生かすことができた」と満足そうに振り返る。

 一方の深津も「わたしがこの役柄を演じられたのも、夫役が浅野さんだったから。余計なことをせずに、相手に違和感を与えない演技は、わたしの理想でもあります」とすんなり夫婦役に入り込めたという。

 黒沢監督とのタッグは、浅野にとっては『アカルイミライ』以来、深津にとっては初となる。カンヌでも絶賛された黒沢監督の演出はさぞかし厳しいのかと思いきや、深津は「現場で、『どこに居るのかな』とこちらが捜すほど、存在を消している感じでした」と意外な事実を告白。浅野もそんな撮影現場だからこそナチュラルな演技が引き出されたといい、「今回の役も『アカルイミライ』の役も僕には共通点を感じられたので、台本通り素直に演じれば、監督がうまく映像にしてくれる信頼感があった」と明かした。

 『岸辺の旅』は、3年前に失踪した夫が突然、家に戻ってくるが、すでに彼は死んでいる……という不思議なラブストーリー。夫婦の旅と共に、その愛の深さを紡いでいく物語だが、深津も浅野も「40代の男女を主人公にした作品は、ありそうなようで結構貴重」と口をそろえる。インタビューの間も終始、温かなほほ笑みで互いを見つめ合う二人は、念願だった再共演をこれ以上ない作品で実現したようだ。(取材・文:斉藤博昭)

映画『岸辺の旅』は10月1日よりテアトル新宿ほか全国公開


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