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ホームレス役に苦労した『オール・ザット・ジャズ』の名優ベン・ヴェリーンがリチャード・ギアと共演した新作

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人が人の世話をすることが大切! ベン・ヴェリーン
人が人の世話をすることが大切! ベン・ヴェリーン

 映画『オール・ザット・ジャズ』の名優ベン・ヴェリーンが、新作『タイム・アウト・オブ・マインド(原題) / Time Out of Mind』について語った。

 本作は、職がなく女に捨てられ、契約の切れたアパートも追い出されたジョージ(リチャード・ギア)が、シェルター暮らしをしながら、死別した妻との間にできた疎遠な娘との関係修復を図るが、厳しい現実が待ち受けていたというドラマ。映画『メッセンジャー』のオーレン・ムーヴァーマンが脚本兼監督を担当。ベンは、ジョージと共にシェルターで暮らすディクソンを演じた。

 役柄への準備は「実際にストリートに居るホームレスと時間を過ごしたり、2、3日地べたに寝たりしたが、とても困難だった。さらにホームレスを収容するL.A.のシェルターにも行き、彼らの生活に入り込もうとしたが、それもとても苦労した。なぜなら、実際にホームレスになって、ちゃんと自分が生き残ることができるか考えるような状況下に置かれなければわからないからだ。実際にホームレスの問題は長年続いているが、最終的には人が人の世話をすることが大切だと理解した」と語った。

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 オーレンとのタッグについて「彼の『メッセンジャー』『ランパート 汚れた刑事』を事前に鑑賞したが、社会的な問題を扱っていて素晴らしいと感じた。だからオーレン作品と聞いて、真っ先に飛び込んだ」と答え、さらにリチャードとの共演については「彼にはセットで初めて会った。リチャードは、事前に僕に対する先入観を持つことを避けた。セットでも役に徹し、セット以外でも車の中で過ごしながら役に集中していた」と称賛した。

 今では舞台の名優と評価されるベンだが、ボブ・フォッシーとの出会いについて「彼の『スイート・チャリティ』が初の大舞台だった。それまでオフブロードウェイには出演していたが、ブロードウェイの舞台は観劇したことがなかった。そんなときに行われた『スイート・チャリティ』のオーディションは、まるで映画『オール・ザット・ジャズ』のオープニングをほうふつさせた。そのときに初めてボブに会って、彼の歩き方、話し方、動き方全てがスムーズだったのを覚えている。その後、オーディションで選考されてすぐに彼の前で歌わされた」と振り返り、さらに日本で舞台をやりたいとも語った。

 映画は、ホームレスの問題を真摯(しんし)に捉えた秀作で、リチャード・ギアのこん身の演技が魅力だ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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