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『羅生門』、最も優れたアジア映画100作品の2位に!邦画3作品がベスト10入り

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「アジア映画ベスト100」で第2位に選出された黒澤明監督の『羅生門』
「アジア映画ベスト100」で第2位に選出された黒澤明監督の『羅生門』 - 「羅生門」(C)KADOKAWA 1950

 今月10日まで韓国で開催中の第20回釜山国際映画祭(BIFF)で、今年の目玉企画のひとつ「アジア映画ベスト100」のベスト10作品上映に連日、新旧の映画ファンがつめかけている。

【写真】6位に輝いた黒澤明の名作の舞台をメキシコに置き換えると……

 BIFF20周年を記念して企画されたスペシャルプログラム「アジア映画ベスト100」は、モフセン・マフマルバフポン・ジュノアピチャッポン・ウィーラセタクンらアジアを代表する映像作家のほか、トニー・レインズ蓮實重彦などの著名評論家、国際映画祭のディレクターを含む73人の映画のエキスパートたちによって選出。アジアの新しい才能を発掘すると同時に、アジアの名作・佳作を世界へ発信し続けているBIFF20周年に、最もふさわしい企画といえる。

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 その10位に選ばれた韓国映画『下女』の上映に際しては、名古屋に生まれ10歳で韓国へ渡り、ヒロインのミョンジャ役を務めたイ・ウンシムが来場。結婚を機にブラジルへ移住し、BIFFの招待によって33年ぶりに帰国したイ・ウンシムは、BIFFへの感謝を伝えつつ「ミョンジャのシーンすべてをキム・ギヨン監督が自ら演じてみせてくれたので、わたしはその通りにやっただけ。もしわたしの演技がすばらしく見えるとしたら、監督のおかげです」と、撮影当時を振り返った。

 また2位の黒澤明監督作『羅生門』上映時には、トンソ大学のナム・ミニョン教授が登壇。第二次世界大戦終焉から5年後に製作された『羅生門』について「平安末期の乱世を時代背景にしつつ、第二次大戦下、そして戦後の混乱を表現。人間の価値とは何かを問いかける、ヒューマニズムにあふれた普遍的傑作」と紹介。同作が第12回ベネチア国際映画祭金獅子賞に輝いたことが「日本映画のみならず、アジア映画に対する世界的評価を高めた」と締めくくった。なお上映終了後には、満席の会場から自然発生的に拍手が起こり、『羅生門』を大スクリーンで観賞したシネフィルたちの感激ぶりを物語っていた。(取材・文:柴田メグミ)

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BIFF2015選出のアジア映画ベスト10作品は以下の通り
※リストは5年ごとに更新予定

1『東京物語』(小津安二郎/1953/日本)
2『羅生門』(黒澤明/1950/日本)
3『花様年華(かようねんか)』(ウォン・カーウァイ/2000/香港)
4 オプ3部作『大地のうた』『大河のうた』『大樹のうた』(サタジット・レイ/1955~58/インド)
5『悲情城市』(ホウ・シャオシェン/1989/台湾)
6『七人の侍』(黒澤明/1954/日本)
7『クーリンチェ少年殺人事件』(エドワード・ヤン/1991/台湾)
8『田舎町の春』(フェイ・ムー/1948/中国)
8『長江哀歌(エレジー)』(ジャ・ジャンクー/2006/中国)
10『下女』(キム・ギヨン/1960/韓国)
10『クローズ・アップ』(アッバス・キアロスタミ/1990/イラン)

第20回釜山国際映画祭は、今月10日まで開催

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