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世界に一つだけのフィルムが日本に!山形国際ドキュメンタリー映画祭開幕!

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本作を妻のマリア・イザベルさんに捧げたというオリヴェイラ監督
本作を妻のマリア・イザベルさんに捧げたというオリヴェイラ監督 - John Shearer / WireImage / Getty Images

 隔年開催の「山形国際ドキュメンタリー映画祭2015」が8日、山形市中央公民館大ホールなどで開幕。オープニングフィルムとして、今年4月に106歳で永眠した現役世界最高齢の映画監督だったポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督の中編作品『訪問、あるいは記憶、そして告白』が日本初上映された。

 同作品は、オリヴェイラ監督が40年間の長きにわたって暮らしたものの、映画製作で抱えた負債の為に手放さざるを得なくなった邸宅が舞台。愛でるように庭や家具をカメラで捉えながら、家族や自身の映画人生を見つめる自伝的な内容だ。自身の死後に発表するよう関係者にオリヴェイラ監督の遺言が託され、リスボンのシネマテークに保管されていた。監督の死後、まもなくして開催された今年5月のカンヌ国際映画祭で初めて公開された。

 現存する35mmプリントは一つしかなく、カンヌ以外にも複数の映画祭での上映を経て山形に到着。「フィルムは1本に繋げてはならず、必ず映写機が2台以上ある会場で上映すること」などのフィルムを保護するための厳しい条件をクリアして、この日を迎えた。世界中から上映依頼が殺到しているとあって、上映後は直ちに次の映画祭へと配送されるのだという。東京から映画祭に参加した男性は「オリヴェイラ監督の作品を観る為だけでも山形に来た甲斐がありました。世界でたった1本の35mmですよ!」と興奮冷めやらぬ様子だった。

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 同映画祭は今年、8日間で165作品を上映。インターナショナル・コンペティション部門以外にも、今回で3回目となる東日本大震災の特集企画「ともにある Cinema with Us 2015」や、混迷を極めるアラブ社会を考察する「アラブをみる-ほどけゆく世界を生きるために」などのほか、多彩なシンポジウムもあり、映画を観るだけではなく映画制作者と参加者との交流の場も用意されている。(取材・文:中山治美)

山形国際ドキュメンタリー映画祭2015は10月15日まで開催
マノエル・ド・オリヴェイラ監督作品『アンジェリカの微笑み』は12月にBunkamura ル・シネマほか全国順次公開

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