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原発事故に難民問題…アンドロイドと外国人難民を通して描く

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もし自分が難民になったら? 映画『さようなら』シンポジウム

 世界初の人間とアンドロイドの競演が話題の映画『さようなら』の試写会とシンポジウムが18日、都内で開催され、監督を務めた深田晃司、主人公を演じたブライアリー・ロング、そして、認定NPO法人難民支援協会の田中志穂氏が登壇した。深田監督は「原発事故や難民問題など、原作(平田オリザの同名戯曲)にない設定でリアリティーを持たせた」と映画に秘めたエピソードを明かした。

 死ぬことのないアンドロイドと孤独な女性が織り成す生と死の物語を描いた本作。深田監督は「破滅的な状況を描くときに、現代の日本では原発のことが最もリアリティーを持つと思った。そこから連想ゲームのように、主人公を外国人難民にしようと決まった。もちろん東日本大震災も深く関係している」と説明。

 これを受け田中氏は、「故郷を追われて全てを失い、少しずつ回復していく中での、人として当たり前のことってなんだろうと思う。日本人はなかなか難民になる機会はないだろうが、この映画は、もし自分が難民になったら? と想像できる、実験的で面白い作品」と感想を述べた。また、昨年日本で難民申請をした外国人は約5,000人に上るというが、認定されたのは11人に過ぎないという実態も紹介して、会場をどよめかせた。

 ブライアリーが「わたしは日本に5年住んでいるが、外見的な部分ではどうしても日本社会の一部になりきれないところがある。見た目の違いから受ける差別は、世界中に当たり前のように存在する。日本人は日本にいる限り、自分がマイノリティーになることはないが、わたしはそれを経験できてむしろよかった」と自身を振り返ると、深田監督は「日本の難民政策が進まないのは、マイノリティーになる経験がないがゆえの、想像力の欠如。リスクが少しでも見えると、完全に排除することも問題」と応じた。田中氏もこれに同調し、「マイノリティーを感じることで、日本人と外国人というカテゴリー同士の対立ではなく、個人の顔が見えてくるはず」と語るなど、デリケートで難しい問題ながら有意義な討論が展開された。

 最後に深田監督は、「この映画は、観る人みんなを一つの感情で塗り潰すものではなく、観た人がそれぞれの生き方を考える機会になってほしい」と話し、シンポジウムは幕を下ろした。(取材・文:タナカトシノリ)

映画『さようなら』は11月21日から新宿武蔵野館ほか全国公開


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