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失恋は世界共通のリアル…独創的な映像美でラブストーリーを紡ぐ新鋭の本音

失恋は世界共通のリアル…独創的な映像美でラブストーリーを紡ぐ新鋭の本音
二人のラブストーリーをどう捉えるかは観る人次第…『COMET/コメット』場面写真 - (C) 2014 COMET MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 ある恋人たちが6年間にわたって体験したさまざまな局面を、時間軸にとらわれずに描き出す新感覚ラブストーリー『COMET/コメット』でメガホンを取った新鋭サム・エスメイル。彼の手掛けるドラマシリーズ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」が第73回ゴールデン・グローブ賞作品賞にノミネートされるなどハリウッドで頭角を現し始めている注目の映像作家だ。作品が独創的であれば、彼の感性も独創的、そう裏付けるような恋愛観を彼が明かした。

 彗星が降る夜に運命的に出逢ったデル(ジャスティン・ロング)とキンバリー(エミー・ロッサム)の恋模様を時空にとらわれず描く本作は、めまぐるしく場面が変わる。それだけに、キンバリーが映画には時間の流れがあるから好きではない、絵画には時間の流れがないから好きと語るシーンが印象に残る。「この映画の構造は、まさにキンバリーのその考え方に結びついています。二人の時間が前後に行き来するから、“始まり・中間・終わり”という感覚が失われる。始まりも終わりも、観る人が決めればいい。最高級の美術品とはそれぞれが好き勝手に解釈できるものだと思っていて、そのことを一番表現したかった」と説明するサム。

画像テキスト
インタビューに応じたサム・エスメイル監督 - (C) 2014 COMET MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 また、冒頭部分を除けば、ほぼキンバリーとデルの登場シーンしかない。彼らのやりとりが作品の良し悪しを決めるといっても過言ではないが、カップルのたわいもない会話には妙なリアルさがある。それは細部にまで気を使い、撮影前には何度も俳優たちに読み合わせを強いた成果だと明かすサムは、「セリフがどんなに詩的で美しいものであろうと、そこにリアルな感情が感じられなければ意味がない」と言い切る。

 そんなリアルな会話が描写される一方で、二つ浮かぶ月、部屋の中に降る雪、車窓から見える宇宙といった幻想的な映像表現が夢のようなムードを作品全体に与える。ロマンチストではないと主張するサムだが、ラブストーリーにはとても興味があるという。お気楽でハッピーエンディングの恋愛映画はうそくさく感じると吐露したうえで、その理由に「失恋のほうがもっと世界共通だし、恋愛体験としてリアルだと思っています。恋愛というものは辛い瞬間を見つめなおすことで、より豊かで深いものが見えてくる。私はその奥深さに心惹かれるんです」とドキッとするような恋愛の本質を突く。この感性で次はどんな作品を作るのだろうか、彼のこれからにも期待を寄せてしまう。(編集部・石神恵美子)

映画『COMET/コメット』は全国公開中


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