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ジョージ・クルーニー夫妻も支援 今もなお語り継がれる「アルメニア人虐殺」の悲劇

ジョージ・クルーニー夫妻も支援 今もなお語り継がれる「アルメニア人虐殺」の悲劇
砂漠に強制連行されるアルメニア人たち - (C)Gordon Muhle / bombero international

 トルコ人政治家のアルメニア人虐殺否定発言を巡る裁判で、ジョージ・クルーニーの妻で弁護士のアマル・クルーニーがアルメニア側として弁護活動を行っていたことが明らかになった。

 アルメニア人虐殺は、1915年にオスマン帝国で起きた惨劇。東部アナトリアの都市ヴァンで発生した暴動をきっかけに、アルメニア人政治家や知識人など約600人が官憲に連行され、その多くが殺害された。これ以降、オスマン政府はロシア国境地帯のアルメニア人を居住地域からシリア、イラク方面に強制移送。アルメニア共和国政府は、この事件について犠牲者は150万人(第一次世界大戦前のアルメニア人の人口は約180万人)であり、アルメニア人の民族根絶を狙った「ジェノサイド(集団殺害)」だと主張する一方、オスマン帝国の後継国であるトルコ共和国政府は「戦乱の中で起きた不幸」として「ジェノサイド」ではなかったと主張。

 長らくトルコ政府が事実を認めなかった負の歴史だが100年を経て、アルメニアではその歴史を見直す動きが顕著になり、トルコ人政治家のアルメニア人虐殺否定発言を巡る裁判では、第三者アルメニアの代理人としてアマル・クルーニーが公聴会に出廷した。夫のジョージも、彼女と共にアルメニア人の100年の歴史を記録する活動「100Lives」に賛同している。

 アルメニア出身の両親の間に生まれたアトム・エゴヤン監督が、虐殺で母を亡くした実在の亡命画家アーシル・ゴーキーの一枚の絵画をモチーフにした『アララトの聖母』(2002)など、アルメニア人虐殺の歴史は映画でも描かれてきたが、同題材を描いた新作『消えた声が、その名を呼ぶ』が現在上映中。

 本作で描かれるのは、憲兵によって砂漠に強制連行され、凄惨な暴行を受けて声を失いながらも、生き別れた娘との再会を目指して8年もの過酷な旅を続けるアルメニア人鍛冶職人の物語。『愛より強く』で第54回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したファティ・アキン監督が、ドイツ、キューバ、カナダ、ヨルダン、マルタと5か国にわたるロケーションを敢行し、制作に7年もの年月を費やした執念の一作だ。トルコからの移民の両親を持つアキン監督が、なぜあえて自らのルーツのトルコで最大のタブーと言われる「アルメニア人虐殺」をテーマに選んだのか。本作の主人公には、そんな彼の思いが託されている。(編集部・石井百合子)

映画『消えた声が、その名を呼ぶ』は角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほか公開中


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