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『キャロル』監督、初めてラブストーリーを描くように取り組んだと語る

『キャロル』監督、初めてラブストーリーを描くように取り組んだと語る
トッド・ヘインズ監督 - David M. Benett / Dave Benett / Getty Images for STUDIOCANAL

 映画『エデンより彼方に』『アイム・ノット・ゼア』などでおなじみのトッド・ヘインズ監督が、アカデミー賞ノミネート作『キャロル』(日本公開中)について脚本家フィリス・ナジーと共に語った。

 1952年、ニューヨークのデパートに勤めるテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)に応対した際に、彼女の気品溢れる美しさに魅了される。だが、娘の親権をめぐって離婚訴訟中の夫ハージと争うキャロルは、テレーズの思いに悩み始めていく。「太陽がいっぱい」などで知られるパトリシア・ハイスミスが、別名義で1952年に発表した小説「The Price of Salt」を基に映画化した。

 ハイスミスの原作についてヘインズ監督は「原作には、これまで自分が手掛けてきた作品群の中でまだ達成できていない何かを感じた。僕が気に入ったのは、この二人の女性がさまざまな出来事を通して、変わっていくために動き出していくところだった」と語る通り、これまで描いていなかった同性愛に踏み込み、さらに彼は「まるで今作で初めてラブストーリーを描くようなつもりで取り組んだ」と明かした。

 テレーズとキャロルの二人の女性の関係だけでなく、キャロルと夫ハージの関係も興味深い。ヘインズ監督は「ハージが映画内で紹介されるときは、彼の人生の中でも非日常的な時期であり、ハージがこれまでキャロルとの結婚生活を当たり前のように感じながら生きていたことを、観客は推測できるんだ。ただ映画内では、そんなハージがキャロルの価値を再評価していくところから始まっていく。彼は彼女を外に連れ出し、できる限り彼女と共に時間を過ごすが、観客にはある意味、それが彼の新たなプロジェクトにも見えてしまう」とキャロルと微妙な関係にある夫ハージを説明した。

 ナジーは、脚色する際に1950年代であることを意識しながら執筆していたそうだ。「現在の(わたしの)心理を、あえて今作のキャラクターに重ね合わせないように気をつけて脚色していた。なぜなら、現在のわれわれの心理を、当時の気風に重ね合わせてしまうと、それはすなわち、今作のキャラクターを自分で判断してしまうことになるから。この同性愛に特別な意味合いを持たせるうえで、わたしがそう判断しないことがとても重要だった」と注意していたようだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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