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ディズニーアニメせりふを丸暗記!? 言葉を取り戻す自閉症の青年

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映画が自閉症青年を救う!(画像は『ライフ、アニメイテッド(原題)』の公式サイトのスクリーンショット)
映画が自閉症青年を救う!(画像は『ライフ、アニメイテッド(原題)』の公式サイトのスクリーンショット)

 ディズニーアニメのせりふを暗記していたことで言葉を取り戻した自閉症の青年・オーウェンに迫るドキュメンタリー『ライフ、アニメイテッド(原題)/ Life, Animated』が現地時間3日、サンダンス映画祭ロンドンで上映され、青年の母親コーネリア・サスカインドと、メガホンを取ったロジャー・ロス・ウィリアムズ監督が登壇した。

 3歳で言葉を失ったオーウェンが、大好きなディズニーアニメを現実世界のロードマップにして生活する様をホームビデオや、アニメーションでの再現、インタビューなどを交え見せる本作。オーウェンの父親でピューリッツアー賞受賞ジャーナリストであるロン・サスカインドの同名回想録を、短編ドキュメンタリーでアカデミー賞を受賞したウィリアムズ監督が映画化したものだ。

 父親相手にピーターパンごっこをする元気な幼児だったオーウェンは、1994年、3歳の頃、突如言葉を発しなくなってしまう。下された診断は自閉症。ショックを受ける家族だったが、オーウェンが以前から好きだったディズニーアニメに関することには反応するのを発見、ディズニーのせりふを使って再び会話ができるようになる。観たディズニーアニメのせりふを全て暗記しているオーウェンは、勇気が要る時には英雄を描いた『ヘラクレス』中のせりふなど、自分が直面している状況に似た場面のせりふを口ずさみ、状況を理解するのだ。

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 今では青年となったオーウェン、アニメのせりふ以外にも会話できるようになり、お茶目なキャラを発揮しているが、ディズニーアニメが頼りなのは変わらない。例えば、ヘルパー付きアパートで一人暮らしを始めた際に『バンビ』を観る場面がある。小さなバンビが大人になっていく姿をじっと見つめるオーウェンからは、バンビと自分を重ねているのであろうことがひしひしと伝わってくる。

 役になりきるオーウェンのせりふ回しは声優顔負けだ。観客から職業として声優はどうかと問われ、「それは確かにありえますね」と息子の将来の可能性を考えるコーネリアの様子に、オーウェンが声優として活躍する日が来ることを願わずにはいられない。

 また、本作中では始終ディズニーアニメを観るか、セリフを口ずさんでいるオーウェンなので、もちろんディズニーアニメの映像が多く登場する。その使用許可はすんなり下りたのかと聞かれた監督は、「すんなりいったかだって!?」と驚いてみせ笑いを取りつつ、「ディズニーは世界で一番がっちり管理されているスタジオなのです」と使用許可を取りつけるために様々な役職の人に順番に会っていったことを明かした。「でも最後に、(ディズニー担当者らの前で)サスカインド家とプレゼンテーションした時には皆泣いていました。実は、ディズニーランドで上映することも決定しました」と発表すると、観客から「ワォ」という歓声が一斉にあがった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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