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綾野剛『日本で一番悪い奴ら』監督、正義と悪をハッキリ線引ける人はいない

綾野剛『日本で一番悪い奴ら』監督、正義と悪をハッキリ線引ける人はいない
白石和彌監督

 綾野剛主演の映画『日本で一番悪い奴ら』(公開中)の白石和彌監督が6月28日(現地時間)、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のリンカーン・センターで行われた取材で語った。

 柔道で鍛えた力を買われて北海道警察の刑事になった諸星(綾野)は、裏社会に入り込んでスパイをつくれという敏腕刑事・村井(ピエール瀧)の助言に従い、ヤクザの黒岩(中村獅童)や運び屋の太郎(YOUNG DAIS)と仲間となって裏社会の悪事に手を出していく。稲葉圭昭の原作「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」を『凶悪』の白石監督が映画化した。

 正義への意識について「正義とは何か? もちろん、正義とは法律に関わる話ですが、僕はそれすら人間が都合の良いように作り、都合が悪くなったら変えているように思えます。その意味では何が正義で、何が悪か、線引きを明確にできる人はいないと思います。正義と言われる人にも落ち度があり、悪人であっても、自分の子供には良いお父さんであったりします。やったこと(犯罪)はいけないと言えますが、人においては明確にできるものではないと常々考えています」と説明した。映画内には、そんな曖昧な人間の性(さが)が表現されている。

 原作の稲葉という人物について「彼は小さい頃から柔道をやり、大学時代は柔道部と家の往復しかしてなかったそうです。大学を出るときも北海道警に入るか、ロシアで格闘をやるかの二択でした。道警に入った際も、ある意味プロ格闘家みたいなものです。そんな彼を誰が演じるか考えていたときに、ご本人に会いました。彼はすごく魅力的な人で、色っぽくて、女にモテると思いました。もちろん、彼には骨太な感じもありますが、格闘家と言うよりは、そんな魅力的な人物にする方が、今作の成功の近道だと思いました」と語った。そんな稲葉は逮捕時、すでにバツ2で子供がいて、さらに8人の彼女がいて、そのうち2人が婦警だったそうだ。

 先の読めない展開の演出について「もし、この原作に大きな殺人があれば、それに向かって計算してやれる話だったかもしれません。原作は小さいエピソードの積み重ねです。それらのエピソードは、別の話を持ってきても置き換えることができるため、諸星がいい意味で警察や世の中を茶化したりして、他の登場人物が魅力的に見えるように、その辺は演出というよりは、脚本段階で脚本家の池上(純哉)さんと意見を出し合いました」と多少キャラクターに上乗せしたことを明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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