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矢沢永吉は広島の義務教育!?沖田修一監督が語る『モヒカン故郷に帰る』

矢沢永吉は広島の義務教育!?沖田修一監督が語る『モヒカン故郷に帰る』
ストーリーに大きな位置を占めている矢沢永吉について、意外にもあまり知らなかったと沖田修一監督

 ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催されたイベント「ジャパン・カッツ!」で上映された映画『モヒカン故郷に帰る』について、沖田修一監督が7月14日(現地時間)に単独取材で語った。

 東京でバンドのボーカルをしている永吉(松田龍平)は、交際中の彼女の由佳(前田敦子)が妊娠したことを報告するために、久しぶりに故郷の広島に戻ってくる。だが頑固な父親の治(柄本明)が宴会の最中に倒れ、がんで余命短いことが発覚したことから、情けなかった永吉が父親のために動き始めていく。

 父親へのがん宣告があるが、シリアスではなく、コメディータッチで描かれていることについて「父親の死を息子がみとるという話を一個の軸に置いて、映画を作ろうかと思ったときに、割とそんなに湿っぽくならずに、どこか笑えてしまうこともあったりすると思ったので、そういう部分を描けていけたら良いなぁと思っていました」と語ったとおり、お涙頂戴の作品にはなっていない。

 映画内では、治が「矢沢(永吉)は、広島の義務教育だ」と語っているが、監督自身もファンなのか。「僕は矢沢さんの大ファンというわけではないです。むしろ、全然知らなかったんですけど、今作のために矢沢さんの作品(コンサートや書物など)をいろいろ見ました。『成りあがり』なども興味深く読ませていただき、ある意味極端で面白かったです。ちょうど柄本さんが演じた治が矢沢さんと同じ年齢で、治が憧れる人物としては、ありだと思いましたし、こういうファンはいると思いました」と予想外の返答だった。

 家族のけんかについて「ちょっと冷たくしても、しばらく時間を置くと仲直りして、家族はそういうことが多い気がします。最初に故郷に帰って永吉が父親とすぐにけんかするシーンは、『やれ、やれ!』みたいなお祭りっぽい感じに見えると良いと思って、昭和のけんかみたいなドタバタな感じになりました」と語った。

 入院中の音楽教師の治が、病院の屋上から学校の屋上にいる生徒たちに演奏を指揮するシーンについて「最初に脚本に書いて病院と学校が隣接する所があるはずないと思っていたら、制作部の人たちが『あったよ!』と言ってきたんです。すでに違う絵図を考えていたから、『あっ、そうなんですか』と驚きました。あの撮影は難しかった。ただ、あの演奏した子供のほとんどは地元の子で、僕らは指図せずに彼らの一生懸命さを撮ろうと思いました」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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