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合成じゃない!リリー・フランキー、重りをつけられ水中で芝居

合成じゃない!リリー・フランキー、重りをつけられ水中で芝居
「ファンタジーとリアルな部分の境界線を描きたかったから」とリリー・フランキー(左)を主演にした経緯を語った坪田義史監督(右)

 多彩な顔を持つリリー・フランキーが、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催された「ジャパン・カッツ!」で上映された新作『シェル・コレクター』について、7月21日(現地時間)に坪田義史監督と共にインタビューで語った。

 貝に魅了され、妻子と離れ沖縄で暮らす盲目の貝類学者(リリー)が、奇病を患った画家いづみ(寺島しのぶ)を貝の毒で治したことから、人々が彼の元を訪れるようになり、その中には息子の光(池松壮亮)もいて、平穏だった生活がいつしか変化し始めていく。米作家アンソニー・ドーアの短編集の一編を映画化した。

 リリーを主役に据えたことについて「彼は、絵本『おでんくん』などのファンタジーの世界と、私小説的な『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』などの文学的にリアルな世界の境目にいることができる方だと思っていました。今作でも、ファンタジーとリアルな部分の境界線を描きたかったため、そこに主演として居てほしいと思って依頼しました」と坪田監督が答えた。

 ニューヨーク在住経験のある坪田監督は、今作をアート作品として描いたことについて「ニューヨークはアートの街で、無数のギャラリーがあり、そこに入って、ブルジョワな人たちが作品を買っていくことがあります。だから、僕はそういうものを作らないといけないと思っていました。それは商業的な考えとかではありません。当時、自分もなんとかならないかと思って、アートの仕事を探していました」と振り返った。そのアートが、今作につながっていったようだ。

 盲目の主人公を演じる上でリリーは「実際に盲目の方に歩き方を教わったんですが、そのままコピーすると芝居にならない。ただ、最低限、盲目の人の所作は取り入れないと、無人島に一人で住む盲目の人だけに孤独なため、その人の所作で、映画が成り立つかもと思わせられるギリギリなリアリティーの中で演じていました」と語った。さらに彼はカメと主人公が対峙(たいじ)する水中での撮影について「前日にリハーサルしたけれど、練習の時より、本番の方が気負っているから息が持ちません。多分5メートルくらい潜っていたけれど、何が怖かったかというと、重りをつけられていたことです。全く息もできない状態で重りをつけられ、『ヨーイ、スタート』と声が掛かるのですが、『そこは巻いてしゃべろうよ!』と思った」と明かした通り、合成ではできない映像が作られている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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