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常盤貴子、トレンディドラマの女王を経て映画女優へ(1/2)

常盤貴子、トレンディドラマの女王を経て映画女優へ
40代になりさらに美しさを増した常盤貴子 - 写真:中村嘉昭

 女優の常盤貴子が、若い美容師の男性(池松壮亮)からの営業メールをきっかけに、度を過ぎた関心を持つようになっていく主婦を演じたサスペンス映画『だれかの木琴』。常盤は、誰にでも起こりうる現代的な闇を抱えた女性を、抑えた芝居で見事に表現している。近年はNHKの連続テレビ小説「まれ」でヒロインの母親を演じるなど、常に第一線で幅広い活躍を続けている常盤だが、「愛していると言ってくれ」(1995)、「ビューティフルライフ ふたりでいた日々」(2000)などの大ヒットドラマに次々と主演し、「連ドラの女王」とも称されていた20代とは、女優としてのスタンスの変化を感じさせる。

 連続ドラマに続投して走り続けていた20代の頃は「自分が吸収する時期だったし、やらなきゃいけないことがあったと思う」そうだが、映画や舞台にも活躍の場を広げた30代以降については、「歳を重ねるごとに自分が挑戦してみせるものとはまた別の好きなものが見えてきて、それが40代になった今、合致してきた感じがする」とのこと。確かに近年は出演作品を厳選しているような印象を受ける。「もう結構やってきたから、やらなければいけないことも少なくなってきたので、後は好きなことを余生でやれたらいいなって(笑)」。

だれかの木琴
担当の美容師をストーカーする主婦という新境地に挑んだ常盤貴子 (C) 2016『だれかの木琴』製作委員会

 余生と言うには早すぎるが、好きなことだけをやり続けるのも大変だからこそ、「一本一本に責任を持って、本当に100%の愛で向かえるんですね。そんな幸せなことはないと思う」と作品数を絞ることで1作品ごとに丁寧に取り組み、情熱を注いでいるのがわかる。直木賞作家・井上荒野の同名小説を映画化した本作の監督は今年82歳になる名匠・東陽一で、敬愛する監督からの出演オファーを喜んだ。「物心ついたときから(作品を)観ていて好きだった東監督に会えるなんて、本当に幸せで。少し前に大林(宣彦)監督とご一緒したことがあるんですけど、そこから自分の中で(ご縁が)全部つながってきているんですね」。

 常盤はデビュー当初から大林監督作品への出演を熱望していたが、それを映画雑誌「キネマ旬報」のインタビューで語ったことが大林監督の目に留まり、『野のなななのか』(2014)の主演が実現した。その後の本作へのオファーに「つながっている」ことを実感したようだが、「実は東監督と大林監督が同じアパートに住んでいらっしゃった時期もあって、そんなことまでつながっていて」と、驚くような偶然も重なった。「わたしが今まで生きてきたすべてが、今こうしてつながってきている感じがするから、人生って面白いなあって思うようになりました」。


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