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伊丹十三監督『タンポポ』の秘話!宮本信子が思い出を振り返る

伊丹十三監督『タンポポ』の秘話!宮本信子が思い出を振り返る
伊丹十三作品のアメリカ上映を喜ぶ宮本信子

 映画『お葬式』『マルサの女』など伊丹十三さんの作品でおなじみの宮本信子が、ニューヨークのフィルム・フォーラムで上映された『タンポポ』の4Kデジタルリマスター版について、10月20日に単独インタビューで語った。

 長距離トラック運転手ゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が、主人を失い一人でラーメン屋を切り盛りするタンポポ(宮本)に、ラーメン屋の基本を教えながら、行列のできる店を目指していくという作品。

 映画『日本春歌考』での伊丹さんとの初共演について「実はその前にNHKのドラマ『あしたの家族』で共演しています」と答え、さらに「ちょうど伊丹さんが外国映画の撮影から帰ってきて間もない頃でした。病院を描いたドラマで、その家族の長男役が伊丹さん、わたしは看護師役でした。看護師役は、新劇の登竜門みたいなもので、3~6か月で降板する人もいれば、わたしのように2年やれた人もいました。その2年間に伊丹さんと話す機会がありました。ただ当時のわたしはまだ20歳前後で、伊丹さんは32歳で、当時の12歳の違いは今とは全然違います。だから、外国帰りで、俳優さんで知的、カシミアのコートを着て、いい香りを漂わせた、大人の方というイメージでした」と懐かしげに語った。

 ラーメン屋の修行はしたのか、との質問には「修行はしませんでした。伊丹さんはその頃、バイクの後ろにわたしを乗せて、いろいろなラーメン屋に連れて行ってくれました。そこでラーメン屋の雰囲気、客の入れ替わりや会話、店主の反応など、伊丹さんに指示されずに、わたしが感じながら何軒か回りました。それと撮影時にラーメンの指導者もいました。ただ麺を切るのが大変で、ちょうどその時同じ芝居をやっていた山田五十鈴さんのお部屋の台所を借りて、京都から友人が送ってくれた麺で切り方の練習をしました」と当時のことを振り返る宮本。

 伊丹映画で秀逸なのは彼の観察力だ。「伊丹さんはイラストレーター、デザイナーなどの職業もやり、画面に映るもの全てにこだわり、人任せにしません。彼の中では、撮影ごとに変だと思うことがあるみたいです。初日には必ず、大道具や小道具さんが配置したものを全部自分でやり直します。だから初日はワンカットぐらいしか撮れません。ただ彼の感性がはっきりしていて、そこが監督のすごいところです」と語った。

 『タンポポ』のアメリカでの上映について「伊丹十三という監督が居たことを再認識していただき、本作を通して他の作品も知っていただけたらうれしいです」と笑顔で答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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