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安彦良和、ガンダムへの後悔とオリジンへの確信を語る

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』を完成させた安彦良和総監督
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』を完成させた安彦良和総監督

 アニメ「機動戦士ガンダム」でアニメーターとして制作の中核を担った安彦良和が、総監督として自身のコミック「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」をアニメ化したシリーズ第4弾『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の完成を迎え、シリーズへの思いとこれからを語った。

【写真】初日はファンの「ジーク・ジオン」のかけ声が響いた

 本作では、テレビシリーズの主人公アムロをしのぐ人気キャラクター、シャア・アズナブルと、その妹セイラ・マスの過去を描いてきたシリーズが一段落。安彦総監督も「とにかく4本作るという決まりだったので、無事作りきることができて良かったなというのが一番ありますね」と安堵(あんど)の表情。「お客様もそれなりに入っていただいて、よくやったという評価もいただいているようなので、スタッフともに喜んでいます」と胸をなでおろす。

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シャアの過去が全て明らかに

 人類を巻き込む「一年戦争」前夜を描き、モビルスーツの戦闘シーンは少なめ。それでもファンの支持を得た理由は、スリリングな物語とキャラクターたちの“演技”が一因といえるだろう。セリフで説明されなくても、キャラの表情を見るだけで生の感情が伝わってくる。安彦総監督は「自分が一番こだわっているのは芝居であり表情。チェックをする時も一番気になるんです。なので、そこが描けていると言っていただけるのは一番嬉しいですね」と語る。

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細やかなキャラクターの演技にも注目

 「目線や表情、口元、仕草とか、ちょっとしたことでお客さんに与える印象が真逆になってしまうこともあるんです。全く違った情報を発信するとお客さんを、『これは話がわかりにくいのか? 自分がいけないのか?』と余計なことで悩ませちゃう。実写だったらよっぽど酷い役者じゃなければそんなに意図を外さないと思うけど、アニメの場合はゼロから絵に描き起こすわけですから、そういうことが簡単に起きてしまうんですよ」。

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 そう語る安彦総監督は、「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)に対しても、同じ思いを抱えていたようだ。「話に難解な要素があるのも理由ですが、描き方が悪いよ、という部分もたくさんあった。世の中に出しちゃったのはまずいよなって思うぐらい不出来な部分があって、そこから誤解が発生したりすると目も当てられない」。シリーズの生みの親・富野由悠季監督が新しいガンダムシリーズを作り続けたのと対照的だが、「それは彼が選んだ方向ですし、ガンダムシリーズを基本的に見ていないので、どんどん先へ行くなりすればいいだろうと。ただ僕は、ファーストガンダムにはやり残した部分が非常にあったという後悔をそのままにしておけなくて、ずっとこだわっている」と告白する。

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そして戦いはついに戦争へ!

 4作目を終え、シリーズの舞台は来年秋公開を目指す「ルウム編」に突入する。コミックでアニメ化していないのはテレビ版と重なる“本編”のみとなるが、「やはり、至らなかったという慙愧(ざんき)の念がずっとあるので、やりたいという意志はサンライズに発信し続けています」という安彦総監督。「けれど量が量なので判断は非常に難しいところです。それに、昔やったものでもあるので、今観たいという人がいて、やりたいというスタッフが相当数いないとできないでしょうね」と展望を語った。(編集部・入倉功一)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』は新宿ピカデリーほかにて12月2日までイベント上映中
「Blu-ray Collector’s Edition」を上映劇場にて先行発売

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