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CGもぬいぐるみも一切なし!女優はオオカミに全てをさらしていた…衝撃の撮影裏

すごい女優魂…本物のオオカミとふれあい
すごい女優魂…本物のオオカミとふれあい - (C) 2014 Heimatfilm GmbH + Co KG

 オオカミに激しく惹かれていく女性を描いた衝撃作『ワイルド わたしの中の獣』でメガホンを取ったニコレッテ・クレビッツ監督がインタビューに応じ、全編を通してCGもぬいぐるみも一切用いずに、本物のオオカミとの撮影に挑んだことを明かした。

『ワイルド わたしの中の獣』予告編

 倫理観を覆すような人間とオオカミとの倒錯愛をあぶり出し、サンダンス映画祭を衝撃に包んだ本作。職場と自宅を往復するだけの単調な日々を送るアニア(リリト・シュタンゲンベルク)は、住んでいるマンションの前にある森で1匹のオオカミに出会う。その野生に心奪われた彼女は、オオカミをマンションの自室に連れ込むことに成功し、いつしか愛し始め……。

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 常軌を逸するようなストーリーに加え驚くべきは、オオカミとのシーンでは、ぬいぐるみもCGも一切使われていないという事実。クレビッツ監督は、「ハンガリーからオオカミのトレーナーを呼びました。彼はアメリカのいろんな映画に協力してきた人で、カメラのフレーミングなど、とにかく彼にオオカミとの撮影で何が可能なのかということを確認しました」と用意周到だったことを自負する。

 トレーナーが連れてきた7匹のオオカミの中から、「ネルソン」という名のオオカミ1匹とほぼ全ての撮影を行ったという。「撮影期間は28日間で、毎日の撮影10時間に対して、オオカミと撮影できたのは3~5時間でした。さらに、オオカミにとって良い環境づくりとスタッフの安全確保という点から、撮影現場には、私、オオカミ、トレーナー、主演女優、撮影監督、アシスタントという最少人数しか残ることができませんでした」。やはり相手はオオカミとあって、どんなに万全のつもりでも、「オオカミが威嚇をはじめてしまうと危険で、一度攻撃的な感じになってしまうと、それがしばらく続いてしまうので、撮影ができないんです。かなり大きな肉の塊をあげるか、あるいは逃げるかといった感じでした」と撮影中には身の危険を感じることもしばしあったそうだ。

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 しかし劇中ではそんな撮影の苦労をにじませないほど、オオカミがまるで演技をしているかのように表情豊かだ。「オオカミと主人公アニアが再会するときは、オオカミも“また会えてうれしいな”と喜んでいるようにしなくてはいけませんでした。そういうときは、エサを少しあげて、でもお腹いっぱいにさせてしまってもいけないので」と絶妙なさじ加減でオオカミを手なづけていたとのこと。

 一方で、オオカミを愛し野生化していくヒロイン・アニアを体当たりで演じきった女優リリトはどのように本作に臨んでいたのか。「オーディションした時、リリトはなんとなく全てをわかっていたんです。これが彼女に与えられた、自分を解放する唯一の機会だと。なので、私が何も言わなくても、彼女は自らを解き放つということを理解していました。彼女にはもちろん演出というか、このシーンでは何が起きるとか言いますけど、それだけでした」とクレビッツ監督は振り返る。

 「撮影現場で面白かったのは、アニマルトレーナーがオオカミに話しかけ、わたしがリリトに話しかける、そういう状況でした。とにかく彼女に恐れを感じてほしくなかった」と主演女優への配慮をしていたというものの、「彼女はとにかくもう、オオカミに自分の全てを投げつけたというか、与えていました。自分をさらしていたという感じですね」とカメラが回っている瞬間の彼女を表現。オオカミとの交わりを意識させる過激なシーンもあるだけに、「本当に彼女にとっては恋人といるような感じでしたね」と回想した。人間と動物の友情を描いた作品ならこれまでにも多くの名作があるが、人間とオオカの生身のふれあいをここまでリアルに映し出した映画は、本作が初めてではないだろうか。そのリアリズムが、ありえないと言いたくなるような突飛なストーリーにとてつもない説得力を与えている。(編集部・石神恵美子)

映画『ワイルド わたしの中の獣』は12月24日より新宿シネマカリテほか公開

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