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伊丹十三の名作『タンポポ』凱旋上映!宮本信子、宝物のような時間に感謝

感慨深く……宮本信子
感慨深く……宮本信子

 昨年、全米60館で公開された故・伊丹十三監督の映画『タンポポ』が「十三」の日である13日、東京・TOHOシネマズ日劇で凱旋上映された。上映前の舞台あいさつでは本作に主演し、伊丹監督の夫人でもあった女優の宮本信子が登壇。約400名の観客を前に「こういう機会があるとは思っても見なかったのでうれしくてうれしくて……。一夜限りの上映ですが、わたしにとっては宝物のよう」と感慨深げに語った。

 とあるラーメン店をにふらりと現れたトラック運転手が、経営者である未亡人と共に寂れた店を立て直そうと奮闘する姿をコミカルに描く本作。日本で大ヒットした後、1986年にアメリカでも上映された。そして昨年、4Kリマスター版として30年ぶりにアメリカで公開され、最終的に60館で上映された。

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『タンポポ』ポスターと宮本信子

 アメリカの初日舞台あいさつに登壇したという宮本は「ここよりももう少し小さい劇場だったんですけど、最初から最後まで皆さん映画をすごく楽しんでいて、すてきな雰囲気で。伊丹さんがこれを知ったらものすごく喜ぶだろうなって感無量になりました。」としみじみ。劇場の様子を「笑いが笑いを生んでどんどん膨らんでいくというそんな感じでした。終わった時に皆さん幸せそうで、それが直に伝わって、それを伊丹さんに伝えたいなって」と振り返り、声を詰まらせる一幕もあった。

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 さらに「この映画は外国の人に愛されていて、全然古くさくない。それがわたしには嬉しくて……」と続けた宮本。また、この日の客席の3割が初めて本作を観ると聞かされると、「素晴らしいこと。これをきっかけに『マルサの女』や『お葬式』にもつながっていって、皆さんが伊丹さんのことを忘れないようにしていただけるとわたしとしても嬉しい」とにっこり。愛媛県に2007年、「伊丹十三記念館」を開設し、館長を務めていることを紹介しつつ、「こんな変わった変なおじさんがいたっていうのを若い人にも知ってもらいたい」と話していた。

 同作を上映した日本映画専門チャンネルでは、2月4日夜7時から伊丹映画10作品を24時間一挙放送。2月18日夜9時より「総力特集 伊丹十三の映画」としてレギュラー放送もスタートする。(取材・文:名鹿祥史)

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