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どこまで演技!?世界一ダンディーなホームレスに密着

公衆トイレが洗面所代わり!
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 52歳のファッション・フォトグラファー、マーク・レイに密着した映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』の公開を前にマークが来日し、6年間に及ぶホームレス生活を振り返った。同時に、本作で映し出された彼は、果たしてどこまでが本当の姿でどこまでが演技なのか、その真意に迫る。

【写真】52歳のファッション・フォトグラファーの6年に及ぶホームレス生活

 188センチの高身長に恵まれ、ファッション・フォトグラファーとして働きながら、「SEX AND THE CITY」(1998)の裕福なプレイボーイ役、『メン・イン・ブラック3』(2012)のエージェント役など俳優としても活躍するマーク。彼が家を持たない理由は一つだけで「生活費に縛られてやりたいことができなくなるのが嫌だったから」。荷物はスポーツ・ジムのロッカー4つ分、寝床はアパートメントの屋上。初めはアパートの鍵を貸してくれた友人や、オーナーに見つかるんじゃないかとヒヤヒヤしながら暮らしていたものの、1年もすれば「これだけ見つからなかったんだから大丈夫だろうという安心感みたいなものも出てきた」と言い、映画ではジムのシャワールームや公園のトイレを洗面所&洗濯場として使用するなど驚くほど器用に生活する姿が映し出される。

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マーク・レイ
来日したマーク・レイ

 感情の起伏が激しく、夜に友人たちとバーでにぎやかに談笑していたかと思えば屋上で孤独にさいなまれ、「自分は何も達成していない」「自分のことが好きになれない」と落ち込むこともしばしば。カメラはそんなマークの“ありのままの姿”を映しているかのように思えるが、本当に“作り”は一切なしだったのか。ズバリ尋ねると、「僕は俳優としての訓練も受けているから、もちろんカメラを意識せずに振る舞うことはできる。でもそれと同時に、意識してしまう自分もいるんだ」と意外にもオープンな答え。

 さらに、“演じたシーン”として具体例も挙げ、「例えば、僕が裸になるシーンは自分の意図として演じている。ライティングやセッティング、その場の状況を見たときに、そこに自分が裸で立つというのはいいんじゃないかと思い付いたんだ」と解説。「レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィルス的人体図』を示唆するような狙いもあり、僕の人間性というものが出ていてとても気に入っている場面だ。俳優をドキュメンタリー映画の対象にして、演じるなって言われたって、そりゃ無理だよね(笑)」と赤裸々に持論を展開した。

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 アメリカでの本作の反響は大きかったようで、屋上でのホームレス生活の続行が危ぶまれるどころか、映画を観た500人もの人々から「うちのソファー空いているから来てください」という連絡があったそう。現在、マークは映画にも映されていた知人宅を間借りしている。目下の目標は、「俳優として成功すること」。「どんなに愛する人がいても、仕事がないとダメだからね。でも、逆に愛する人がいなくても、仕事に満足さえしていれば、自分は幸せだと思う」とブレないスタンスをアピールした。(取材・文:編集部 石井百合子)

映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』は1月28日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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