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蒼井優、高橋一生、香川照之に共通点 黒沢清監督『スパイの妻』トーク番組で明かす

『スパイの妻<劇場版>』より
『スパイの妻<劇場版>』より - (C) 2020 NHK, NEP, Incline, C&I

 『スパイの妻<劇場版>』(公開中)で第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清監督が15日、オンラインで行われたトーク番組シネマトゥデイ・ライブに出演。本作に出演した蒼井優高橋一生に加え、過去に度々組んでいる香川照之について、ある共通点があることを明かした。

【動画】黒沢清監督出演シネマトゥデイ・ライブの模様

 本作は、今年6月に NHK BS8K で放送されたドラマを、スクリーンサイズや色調を調整した劇場版。太平洋戦争前夜を舞台に、満州で偶然、恐ろしい国家機密を知り事の顛末を世に知らしめようとする優作(高橋)と、その妻・聡子(蒼井)の試練を描く。

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 シネマトゥデイ・ライブではお笑いコンビのセブンbyセブン玉城泰拙宮平享奈緒)がMCを務め、作品が生まれた経緯からスタート。もともとは黒沢監督が発案した企画ではなく、東京藝術大学大学院で映像研究科映画専攻教授として教鞭をとる黒沢監督が、教え子だった濱口竜介野原位(映画『ハッピーアワー』など)から、神戸を舞台にした映画を作れないかと提案を受けたことから始まった。黒沢監督は、2人が1940年代を舞台に実在の人物をモデルにすることもなく、完全なオリジナルストーリーを仕上げてきたことに驚いたと言い、それが「めっちゃ面白かった」ことで俄然乗り気になったと話す。

黒沢清
黒沢清監督

 本作の主演を務めた蒼井の演技に触れると、黒沢監督いわく「客観的で冷静」。これまでWOWOWドラマ「贖罪」(2012)や『岸辺の旅』(2015)などでも組んでいるが、「とにかくやりやすい。ある役に成り切ったりしない」とその魅力を表す。「役に成り切らない、というのがどういうことかというと、『ヨーイ、スタート』で撮影が始まると役になるのだけどカットをかけた瞬間、パッと素に戻る。『今の(演技)はどうですか?』と聞かれて『今のはちょっとやりすぎなので少し抑えてください』と指示をすると『わかりました』と次は完全に抑えたものができる。といった具合に修正もしやすいですし、現場の雰囲気もほがらかなんです」

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 共演の高橋も同じタイプだったと言い、とりわけ長ゼリフの場面では高橋の実力に圧倒されたそう。「巧い方でした。映画の前半に物語の核心を突く長いセリフがあるんですけど、3分ぐらいありますかね。ワンカットで撮っているんですけど、撮影が始まってまだ2日目だったんですよ。なかなか意地の悪いスケジュールですけど……(苦笑)。結構緊張して、同時に期待もして撮ったんですけど、やってみると簡単でした。高橋さんは相当覚悟をされていたんでしょうね。『このシーンはほぼワンカットでやりますのでよろしく』と伝えてあったのですが、2、3回テストをして本番はほぼ一発でOKでした。この場面を乗り切ったのだからこの先は全部うまくいくとスタッフも俳優もほっとした感じで、実際にそこから順調でしたね」。ちなみに、これまで組んだ俳優の中では『トウキョウソナタ』(2008)や『クリーピー 偽りの隣人』(2016)、ドラマ「贖罪」などで組んだ香川照之も「完全に切り替えるタイプ」だという。

 番組ではその他、本作しかり映画で夫婦を描く醍醐味、劇中映画の役割、「東出昌大の背が高い問題」、当時の人々の話し方の再現、「高橋一生の髪を刈り上げた理由」などの話題も。今後については、「『スパイの妻』で現代とは違う時代をやって手ごたえを感じたので、またやりたいという欲望は強く持っています」とのこと。セブンbyセブンの宮平享奈緒が「もしかしたら黒沢清版『四谷怪談』ができるかもしれないですね」と持ち掛けると、「それいいですね!」と目を輝かせていた。(編集部・石井百合子)

『スパイの妻』の黒沢清監督に生インタビュー! - シネマトゥデイ・ライブ » 動画の詳細
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