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『銀河鉄道999』りんたろう監督、続編オファー「逃げまわった」完全燃焼だった劇場版

「銀河の果てまで旅して。今ここに、惑星地球に戻ってきました」りんたろう監督
「銀河の果てまで旅して。今ここに、惑星地球に戻ってきました」りんたろう監督

 14日、1979年に公開された映画『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版の公開記念イベントが、丸の内ピカデリーで行われ、りんたろう監督とアニメーション評論家の藤津亮太が出席、当時を振り返りながら、本作が生まれた背景を明かした。

劇場版『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版予告編

 松本零士が企画・原作・構成を担った本作は、永遠の命を手に入れられる機械の体を無料でくれるという星を目指して銀河超特急999号に乗り込んだ少年・星野鉄郎の、謎の美女メーテルとの旅を描いたSFロマン。一大ブームを巻き起こした不朽の名作が、鮮明な映像と立体音響、最新上映システムをそなえたドルビーシネマ版としてよみがえる。

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 りんたろう監督は、数多くのファンが集まった劇場内を見渡し「はるか遠い昔に、無我夢中で飛び乗った列車で、銀河の果てまで旅して。今ここに、惑星地球に戻ってきました。43年前の話です。これから2時間半くらいの旅になると思いますが、楽しんでいただければ」とあいさつ。ドルビーシネマ版について「よみがえったなという感じですね」としみじみ語ると、「あらためて、新しい技術でできあがったものを観て、臨場感があるなと思いましたし、特にドルビーは本当にSFに向いている。今日は観るというよりも、体感していただければ」と呼びかけた。

 原作やテレビアニメ版に比べて、青春映画としての側面が強くなったという劇場版。その理由について「当時の東映動画(現・東映アニメーション)の今田智憲社長が、どうしても青年から上の層を狙ったアニメを作りたいということから始まったんですよ」と振り返った監督。テレビ版などでは10歳だった主人公・鉄郎の年齢設定が、劇場版では15歳に引き上げられ、「やはりテレビの延長戦というわけにはいかないので、それくらいのことをしないと。映画として成り立つ鉄郎にしようと思い、脚本でも少年の旅立ちを意識しました」と明かす。

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 監督にとって本作は、長編映画初監督作でもある。「初めて長編を作るので、どう作ったらいいかわからず、しばらく悩んでいたんです。でも自分のスタイルで作るしかないなと思い、中学生の頃から観ていたフランス映画や、イタリア映画のスタイルに影響されて作りました」。そのため、作品に漂うヨーロッパ映画的な雰囲気についても「自分としては何を意識したわけではないんですが、もしかしたらフランス映画の音楽の使い方や、イタリア映画のネオレアリズモのカットの見せ方などは絵コンテに反映されたかもしれないですね」と語った。

 そうして完成した本作は、社会現象を巻き起こす大ヒット。監督は「映画がヒットするというのはこういうものなのかと。新聞でも社会面に載って騒がれましたね」としみじみ。ヒットを受けて、東映動画から「続編を」という声もあがったが、「長編映画は初めての経験なので、全力投球したんです。だから終わった時は抜け殻みたいになって。達成感もあって、完全燃焼した」と乗り気ではなかったという。
 
 しかし、「続編もりん監督で」と熱望したという高見義雄プロデューサーが猛アタック。「僕は、頼みますから、監督は他の人に変わってくださいと言って、徹底的に逃げまわったんですよ。そうしたら新宿駅まで追いかけてきて。帰ってよと言っても、『いや、うんと言ってくれるまで帰らない』と。そんなこともあったし、仲間もみんなやっているということもあったので、じゃ、やろうかということになった」と述懐した。

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 新たな物語を作るうえで「登場人物は変わらないので、切り口を変えなきゃいけないということになった」といい「松本先生と話して、戦争ものにすることにしたんです。そして僕の持っている演出を全面的に出そうということで、アニメーションを作るのではなくて、映画を作るような意味でカットを切ったのが『さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-』でしたね」と振り返っていた。(取材・文:壬生智裕)

『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版は全国7館の対応劇場で順次公開中
『さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-』ドルビーシネマ版は1月21日より公開

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