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デビルズ・ノット (2013):映画短評

デビルズ・ノット (2013)

2014年11月14日公開 114分

デビルズ・ノット
(C) 2013 DEVILS KNOT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

無知と偏見によって暴走していく大衆心理の怖さ

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 幼い子供たちの命を奪った犯人への怒りと復讐心に、信心深い田舎の人々の無知と偏見が加わった結果、いつしか真相究明などそっちのけで恨みを晴らすことに熱狂していく大衆心理。警察や検察まで加担した現代版“魔女狩り”の全貌を、地域の異端者ゆえ糾弾されてしまった高校生たちではなく、彼らの支援に奔走した弁護士と殺された少年の母親それぞれの視点から描いていく。
 アメリカで実際に起きた冤罪事件の映画化。なぜこのような悲劇が起きたのか。本作は何一つとして解決されなかった事件の背景をつぶさに追うことで、平和な地域社会や善良な市民の内側に潜む悪魔を炙り出す。それは暗い森のように奥が深くて恐ろしい。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

その静かな森は深くて暗い

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

湿度の高い南部の森。緑が深く繁るその森に入ったら、内部で何が起きているのかは外からは見えない。画面の中で、幼い男の子たちがそこに入っていくとき、森はあまりに大きく深く、男の子たちは小さくか細い。そして物語が進んでいくのにつれて、底なしの暗がりを抱え込んでいるのは、森だけではなく、その近くに住んでいるさまざまな人々も同じであることが明らかになっていく。 

実際にあった冤罪事件の映画化だが、アダム・エゴヤンが監督なので、通り一遍の社会派映画にはならない。映画は何かを糾弾することなく、何かを解明することもない。ただ見終わった後も、その暗がりの得体の知れなさだけが、静かに持続する。

この短評にはネタバレを含んでいます
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