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マジック・イン・ムーンライト (2014):映画短評

マジック・イン・ムーンライト (2014)

2015年4月11日公開 98分

マジック・イン・ムーンライト
Photo: Jack English (C) 2014 Gravier Productions, Inc.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

平沢 薫

アール・デコでコール・ポーターでどこまでもロマンチック

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 月光のマジック、とはつまり、暗いところに光が差して魔法が起きる、と、つまり映画のこと。ヒロインが「本当よりも、ウソのほうが素敵でしょ?」と言うのも、映画は素敵なウソだから。そもそも主人公は奇術師、ヒロインは霊媒師で、どちらも上手なウソが生業。そんな本作だから、ちゃんと素敵なウソでウットリさせてくれる。

 どこまでも古典的でロマンチック。コール・ポーターの名曲、アール・デコな女性の衣服はみな、柔らかな薄い素材を重ねた明るい色。南フランスの富豪の屋敷、庭園、ダンスパーティ。素直ではない男女の恋の駆け引き。すべてが定番なのに、どうやらウットリするには定番だけで充分なようなのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

設定も展開も配役も絶妙なラブコメの鏡

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 誤解と勘違い、スノッブ批判をコミカルに料理し、気持ち良いエンディングへと誘う。アレンお得意の題材だが、こうも気持ちのよいロマンチックコディは久しぶり。『ミッドナイト・イン・パリ』のレトロ感と『タロットカード殺人事件』の軽さの融合といえば通りが早いか。

 現実主義のマジシャンという、ある意味、矛盾する主人公のキャラに風刺を持たせつつ、その思想が恋によって二転三転。その軽やかな描写に職人芸がにじみ出て、アレン信者ならずともニヤリとさせる心憎さだ

 コリン・ファースとエマ・ストーンの組み合わせの化学反応も活きて、最後の最後まで楽しめた。ラブコメはこうあるべしというお手本のような逸品。

この短評にはネタバレを含んでいます
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