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キング・オブ・エジプト (2016):映画短評

キング・オブ・エジプト (2016)

2016年9月9日公開 127分

キング・オブ・エジプト
(C) Photo Courtesy of Lionsgate.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

山縣みどり

バカバカしすぎるから逆に面白いのです

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

アレックス・プロイヤス監督によるファンタジーは、オスカー俳優ジェフリー・ラッシュら大物俳優を多数起用し、特撮にも大金かけたのがわかる(縮尺が変なときもあるが、映像美は見る価値アリ)。でも物語はグダグダだし、人間側の中心となるブレントン・スウェイツが魅力ゼロ。それなのに面白いのは、神話に超合金ロボットものをぶっこむというハチャメチャな発想で最後まで突っ走るから。バカバカしさの極みだけど、B&C級映画好きなので心底楽しんだ。異常に蒸し暑い晩夏、この映画を見れば気分がスキッとなるのは間違い無しだ。見る前のアドバイスとしては、人間の物語は無視して自分勝手でわがままな神々のドラマに集中するべし。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

エジプト神話の神々が変身系スーパーヒーローに

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 エジプト神話の神々を、変身系スーパーヒーローとして描く。そしてビジュアルには、ツタンカーメンの黄金のマスクで知られる"黄金"をたっぷり使う。しかもその黄金の色調は、現存する王の副葬品のような褪せた金色ではなく、それらが作られた時の、激しく光り輝く金色にする。デザインには、古代エジプト文明の図象と色彩を用いる。すると、こんな色鮮やかなアクション・アドベンチャーが生まれる。神話はかなり自由にアレンジ。神々の姿の、普段は人間の形状だがそのサイズが人間より微妙に大きい、という設定がユニーク。「ダークシティ」「アイ、ロボット」のアレックス・プロヤス監督がVFXを大量投入した派手な映像が楽しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

天空の王子・ホルスの大冒険

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

キャスティングの問題もあり、全米では酷評されたが、世界各国で公開初週No.1になるだけに、エンタメ要素の詰め込み度合はハンパなし。荒唐無稽な設定に見えながら、天空神ホルスが父の敵である砂漠と異邦の神・セトに戦いを挑むエジプト神話が軸であり、「聖闘士星矢」や「牙狼〈GARO〉」を意識したようなキラキラ感もたまらない。『パイレーツ・オブ・カリビアン』最新作でジョニデの相手に抜擢されたブレントン・スウェイツや、“囚われの花嫁”以上に胸元クギづけなコートニー・イートンなど、青田買い感強い若手の共演も見どころだが、アレックス・プロヤス監督作として観ると、あまりのカタルシスのなさに腰を抜かすかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

なんでもアリの怒涛の冒険神話に魅せられて

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 神と人間が共存する世界といえばギリシャ神話が馴染み深いが、それを古代エジプトに置きかえたかのような本作。そのアドベンチャーは破天荒で、見る者の予想をはるかに上回る。

 落ちぶれた人間と神がコンビを組み、横暴な権力に立ち向かう。そんな判官びいきに支えられつつ、冒険の舞台は宇宙や死後の世界にもおよぶ。神様がいれば何でもアリ…といえばそれまでだが、有無を言わせぬ展開に目を奪われた。

 本作の功労者は、『300<スリー・ハンドレッド>』の主人公を悪玉に転じたかのような役にふんするジェラルド・バトラーだ。“あれも、これも俺のモノ!”的な強引キャラが磁場を生み、見せ場をさらう。濃い!

この短評にはネタバレを含んでいます
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