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将軍様、あなたのために映画を撮ります (2016):映画短評

将軍様、あなたのために映画を撮ります (2016)

2016年9月24日公開 94分

将軍様、あなたのために映画を撮ります
(C) 2016 Hellflower Film Ltd/the British Film Institute
山縣みどり

閉ざされた独裁国家の闇に恐れおののく快作

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

申相玉監督の著書『闇からの谺』を読んで北朝鮮の映画芸術を向上させるために韓国の監督&女優を拉致した金正日の恐ろしさを感じたが、本作は被害者の体験を映像で見せるのでさらに背筋がゾゾッ。拉致状況や北朝鮮での生活ぶりが当人たちや成長した子供たち、そして彼らを尋問したアメリカ政府関係者らの証言で明らかにするが、再現フィルムとして申監督の作品を使用しているのがユニークだ。また北朝鮮の国民生活の一端も映され、その普通じゃなさに唖然。帰国が叶わない拉致被害者が大勢いるが、新たな最高指導者・金正恩が映る終盤に漂うのは絶望感のみ。この映画を世界中の人々が見て、拉致被害者返還に力添えしてくれると望みたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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