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こころに剣士を:映画短評

こころに剣士を

2016年12月24日公開 99分

こころに剣士を
(C) 2015 MAKING MOVIES / KICK FILM GmbH / ALLFILM

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

中山 治美

エストニアの埋もれていた人物に光を当てる

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

大人は権力に怯え、ある者はどこかへ連行されていく。
そんな村に住む子供は、希望を持って生きられるだろうか?
本作はソ連占領下のエストニアが舞台。
体育教師がフェンシングで、子供に夢を与えた実話だ。
だが結果的には彼らの笑顔が、大人たちの意識を変えていく。
暗い時代に育まれた交流を今に伝える良作だ。
それだけに、とって付けたような教師の恋愛話が腰を折る。
コレ、主人公の人間性を出そうとか、女性が共感を得られやすいキャラの投入として多くの映画が陥りがち。
99分と短いだけに教師と子供の関係性に焦点を絞った方が良かったのでは?
特にポスターにも登場しているマルタ!
彼女のドラマがもっと見たかった。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

男の嫉妬はほんと、タチが悪いわ〜と実感

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

第二次大戦をはさんでナチス・ドイツとソ連に翻弄されたエストニアで起きた実話の映画化で、同国の誇りを感じさせる仕上がりだ。主人公エンデルが騎士や侍に共通する矜持を持つフェンサーである点も大きい。身分を偽って教師となったエンデルとスターリン独裁下で戦々恐々と生きざるをえない子どもたちの疑似的な父子関係や長女気質で前向きな少女の描き方など胸を締めつけられることもしばしば。でも、胸くそ悪いという意味で印象に残るのが主人公に妙な嫉妬を燃やす校長だ。独善的な正義感で他人を陥れる姿は時代背景など関係なく、人間性の問題なのだ。ある意味、普遍的? ほんと、男の嫉妬ってタチが悪いわ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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