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ドクター・ストレンジ (2017):映画短評

ドクター・ストレンジ (2017)

2017年1月27日公開 115分

ドクター・ストレンジ
(C) 2016MARVEL

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

相馬 学

“歪み”に妙味が宿る怒涛のスペクタクル

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 アイマックスで観たが、これは確かに迫力がある。都会の街並みが変形し、重力が変化する、そんな『インセプション』ばりの“歪み”のスペクタクルに圧倒され、2時間弱を一気に楽しんでしまった。

 ドラマ的には欠陥人間がヒーローになる、マーベルのお約束を踏襲しており、ある意味安心して見ることができる。“失敗しない”高飛車ドクターが失敗を繰り返して、次元を超えるまでの物語。もちろん、次が楽しみになる。

 面白いのはヒロインを除き主要キャストが非ハリウッド俳優で構成されていること。ユーモアに洗練をみてとれるのは、英国人俳優が主体だからだろうか。そこに他のマーベル作品とは異なる“歪み”の面白さを感じた。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

これは絶対に3Dの大画面で見るべし

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 己を過信した不遜な西洋医学の天才ドクターが、対極的な東洋思想に触れることで謙虚と献身を学び、修行を経て神秘の魔法を操る魔術師へと生まれ変わる。’60年代のニューエイジ・ムーブメントが生み出した異色のマーベル・ヒーローは、西欧近代文明が危機に瀕した21世紀の今こそ相応しいキャラクターとも思える。
 確かにストーリーは荒唐無稽かもしれないが、冒頭から『インセプション』を遥かに進化させた圧倒的な映像の魔術で、一気に観客を映画の世界へ引き込むパワーはなかなかのもの。ベネディクト・カンバーバッチをはじめとする役者陣の際立つ個性と演技も、ただの絵空事ではない説得力を持たせる。是非とも3Dの大画面で!

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

マーベルの新機軸は、オリエンタルでサイケデリックな魔法大戦!

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 先端科学よりも魔法。フィジカルよりもメンタル。マーベルの新機軸は、ニューエイジ的価値観を上位概念に置く<魔法大戦>だ。都市空間を自在に捻じ曲げた『インセプション』のその先にあるCGIの魔力と、IMAX3D画面を縦横無尽に活かしきるサイケデリックな視覚効果は新鮮。主人公の修行プロセスにはもっと時間を割くべきだが。キャスティングが巧い。傲慢な医者から一転、オリエンタルな衣装を纏っても様になるカンバーバッチはもとより、作務衣風衣装の闇の魔術師マッツ・ミケルセン、スキンヘッドの導師ティルダ・スウィントンのキャラ立ちは抜群で、壮大な嘘に説得力を与える。内戦というモチーフに、分断された大国の今を思う。

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山縣みどり

拡張し続けるマーベル・ユニバースに地球は飲み込まれるかも

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

ハリウッドを席巻するマーベル映画に食傷気味だったけど、これは謎のオリエンタル風味が効いてる上にヴィジュアルが素晴らしいので前のめりで見てしまった。ミラー次元となるNYやドラえもんもビックリのどこでもドアには大人の夢も詰まっている! 楽しい! エキセントリックな天才を演じさせたら現在トップのカンバーバッチはじめ、ティルダやマッツといった演技派のノリノリ感が愉快だ。イジョホーがシリアスすぎなのが気になるが、シリーズ続行の布石だからね。善をなすには小悪も必要という柔軟な考え方に対し、ヒステリックに善を追求する側がアホに見える図式もいいね。人生にはグレーゾーンが必要だもん。

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くれい響

そうです、私が“変なお医者さん”です。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

冒頭、『インセプション』進化形な映像マジックで一気につかんだと思えば、カンフー映画ばりの訓練シーンもアリ。かと思えば、マッツやマクアダムスらとのコントのような絡みで笑いを取る、ベネディクト・カンバーバッチの“変なお医者さん”。シャーロック、アラン・チューリング系統な偏屈キャラというハマリっぷりだけに、マーベルヒーロー映画であると同時に、“スター映画”としてもしっかり成立している。監督は、オカルト要素入ったサスペンスで腕を上げたスコット・デリクソン。『フッテージ』『NY心霊捜査官』など小品の要素も感じさせながら、ポスト『アイアンマン』になるべき大作を撮れることも実証した。

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平沢 薫

知覚の扉がクルクル回る

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 高速ビルが立ち並ぶ街が、グニャリと折れ曲がる。立っている場所の天地左右が、一瞬ごとに素早く変化し続ける。3D化して回転するエッシャーの絵の中に放り込まれたような、地軸が変化し続ける世界を体感できる。また、主人公が自分の意識を視覚化した空間に入った時の、少々悪夢の気配がする極彩色のフラクタルな光景も珍味。60年代サイケデリックの匂いはスコット・デリクソン監督の趣味だろう。まさにドクター・ストレンジの魔術にかけられたようなこの映像体験は、IMAXの大画面だとさらに効果倍増だ。

 もう一つ注目なのは、主人公が最終的な敵に立ち向かうときの戦法。東洋の魔術を修行した者ならではの発想に唸らされる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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