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キングコング:髑髏島の巨神 (2017):映画短評

キングコング:髑髏島の巨神 (2017)

2017年3月25日公開 118分

キングコング:髑髏島の巨神
(C) 2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.2

相馬 学

2017年の『怒りのデス・ロード』になりうる傑作

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 2005年版『キングコング』の見どころは中盤のスカルアイランド(髑髏島)のシークエンスに尽きる。そこで描かれた怪獣バトルの興奮は説明的な前半や情に流される後半の減点忘れさせた。嬉しいことに今回のコングは、ほぼ全編の舞台が髑髏島だ。

 限定空間設定の面白さを支えるのが、これまでのコング映画をしのぐコングやクリーチャーのデカさ。巨体であるばかりか動きも速く、人間はかなわないと思わせるに十分。それでも怒り燃えて立ち向かう、S・L・ジャクソンの煮えたぎるような闘志にもシビレる。

 物語に呼応し、映像面でも劇画調を徹底。絵的な興奮の凄さという点で、これは2017年の『怒りのデス・ロード』だ!

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

〈コングの黙示録〉で導入する恐怖の「ラ・ラ・怪獣ランド」体験

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

『地獄の黙示録』の神秘性に、大怪獣バトル映画の醍醐味を掛け合わせるというハイブリッドの意外性。ツカミは十分だ。コング映画の要素から、美女と野獣のロマンスと都市上陸大破壊のスペクタクルを配して見せ場を神秘の島に限定し、野生のコングの生命力と戦闘能力をそそり立たせた。怪獣どもの造形はオリジナリティに富んでいる。小気味よいテンポで魅せる、スピーディーかつ多彩な肉弾戦の組み立て。70年代カルチャーや日本発のサブカル、ゲーム世代の感覚の取り込み。『ラ・ラ・ランド』のチャゼル監督と同じ32歳の俊英ロバーツ監督が生み出した、ポップな「ラ・ラ・怪獣ランド」は、最強のエンターテインメント映画だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

1本立なのに、「チャンピオンまつり」

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

3年後に控える“対ゴジラ戦”の前哨戦程度で観ると、ド肝を抜かれる。「闇の奥」いうか『地獄の黙示録』から始まって、使徒にカオナシ、『食人族』に「ワンダと巨像」まで、オタ監督のやりたい放題全部乗せ!そんなとんでもない怪獣映画を作ったジョーダン・ヴォート=ロバーツは才能も、アヤしい風貌も、一気に“第二のデル・トロ”として名乗りを上げた感アリ。しっかりエロいブリー・ラーソンにしろ、キャラのほとんどが登場シーンで笑いを取る演出もあり、監督デビュー作『The Kings of Summer』の学生同様、大自然で楽しんでいるようにしか見えない。そのため、緊迫感はほぼゼロ。でも、楽しいからいいんです!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

めちゃくちゃ大金をかけたBムービー

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

サミュエル・L・ジャクソンがキャストされた瞬間にわかるべきだったが、莫大な金かけて作った『スネーク・フライト』的なB級映画! キングコングのいる島に勝手に乗り込んで、あっという間に部下をやっつけられたサムジャクが “あいつと俺の問題になった”と睨みつける瞬間からトムヒは単なる脇役に! そもそもトラッカー能力を買われたのに道に迷うトムヒってどうなのか? という点を脇に置蹴るのもキングコングの暴れっぷりが素晴らしいから。『GODZILLAゴジラ』チームの製作だけあって、本物のゴリラが巨大化したような俊敏でパワフルな彼と禍々しい造形とパワーを持つ宿敵スカル・クローラーのガチンコ勝負でもう満腹! 

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

キングコングが新しい!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 またキングコング?と思ってはいけない、今回のコングは新しい。この巨猿はまだ若く、成長期にあるという設定なのだ。テリトリーを引き継いで張り切っている、元気いっぱいの暴れん坊で、従来のコングのように悲哀を背負ったりしない。アクションも身体を使って格闘する日本の怪獣映画の系譜だ。
 コングの敵が爬虫類系の架空生物なのも正解。この敵と対比すると、哺乳類のコングは圧倒的に人間に近い。そこにサミュエル・L・ジャクソンが登場、コングと正面からガンを飛ばし合うと、もう2者の土俵は同じ。コングと人間を同じ立ち位置にするにはこの方法もあった。コングと一緒に熱くなる、日本版ポスターそのままの痛快怪獣映画だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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