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オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014):映画短評

オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014)

2014年7月4日公開 113分

オール・ユー・ニード・イズ・キル
(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

相馬 学

ゲーム感覚とドラマが融合した稀な成功例

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ゲームの初心者がリセットを繰り返すうちにスキルを広げ、先の、そのまた先のステージへ進むような感覚。そんなプレーヤー感覚を忠実に再現した点で、これまでのどんなゲームの映画化よりもゲーム的な映画となった。

 トム・クルーズをそんな“初心者”の状態に置くアイデアも活きている。“自分の血を見るだけで倒れちゃいますから”と全力で最前線行きを拒絶する、実戦経験皆無の主人公。トムが演じることで、そこに意外性が宿るし、そんな彼がスキルを広げる点にドラマが生まれる。

 ゲーム感覚とドラマが結びついた成功例は多くはないが、本作はうまくハマッた感がある。アイデアの勝利。

この短評にはネタバレを含んでいます
中山 治美

原作のオイしいところだけ拝借!

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 日本の小説が原作だけに、尚更、ハリウッドで調理するという事はこういうことなのか!と膝を打つに違いない。余計な説明を排除して、繰り返される日々をテンポ良く見せていくスタイリッシュな映像。エイリアン・ギタイの迫力と脅威。そして弱腰男がヒーローへと成長していく物語性。トム・クルーズというスターを使って万人を楽しませる術が凝縮されている。
 惜しむべきは、後に全く何も残らないということ。それはトムは何度も死を体験するが、そこに恐怖がないからだ。同様に主人公が同時間をループする『ミッション:8ミニッツ』では、人の心の痛みが胸に刺さったのだが。RPGゲーム感覚で娯楽のみを追求するなら及第点だろう。

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ミルクマン斉藤

もういちどプレイしたくなる傑作RPGのような。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

すげーぜすげーぜ面白すぎるぜ、と観てる途中から叫びたくなるドライヴ感! 時がリバースしたりループしたりする映画には佳作が多いが、間違いなく最上級の一本と断言できる。RPGの基本ルール(何度もリセット、再チャレするうちスキルが上がり物語が進む)を踏まえつつ、楽しさと徒労感と達成感をここまで再現したのはなかったし、ドライかつハイスピードなまま突っ切っていく編集も素晴らしい。コメディと戦闘アクションの塩梅も良く、コメディエンヌが本質のE.ブラントをトムの相手役に起用したのもベタつきを抑えて正解。D.ライマンとしては『go』以来の完成度ではないか。ボスキャラの棲家がアソコ、ってのも画としていいね。

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山縣みどり

トムのスーパースターぶりを味わって!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

『トップガン』以降、スーパースターの座を維持するトム・クルーズ。複雑なキャラクターを繊細な表情演技で表現する俳優ではなく、ずばり外見&肉体勝負なスターで、本作もそんなトムの魅力がぎっしり。毎日生まれ変わってはタフな兵士に成長し、ガンダムみたいなメタルスーツ姿で敵を倒しまくる。腕をサッとひとふりするだけで凶暴な宇宙人をやっつけられるなんてトムだから許される!? さらにはエミリー・ブラント演じる“フルメタル・ビッチ”とのほのかな恋を用意するあたりは、観客の期待に応えるトムの名プロデューサーらしさ。古くさい展開と感じる向きもあろうが、古き良きハリウッドを踏襲したオールドスクールってことで。

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くれい響

ヘタレでビビリな、トムクル覚醒!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヘタレでビビリな男子が画に描いたような豪腕美女との出会いを通じ、覚醒していく『マトリックス』『ウォンテッド』でもおなじみの設定。だが、そんな主人公を俺俺なヒーローイメージが強すぎるトム・クルーズが演じるのだから、面白くならんわけがない。しかも、ダメ男映画の最高峰『スウィンガーズ』のダグ・リーマン監督の手によって!
再三リピートされるエピソードの抽出もセンスがあり、日本人好みな訓練シーンも含め、畳み掛けるカット割から実際にゲームをプレイしてるような感覚にもなる“戦場版『恋はデジャ・ブ』”。「人生は、やり直しのきくゲームなんだよ」という『毎日が夏休み』の名セリフを踏まえてみると、それはそれで一興。

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なかざわひでゆき

戦争はゲームじゃない

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 エイリアンの猛攻撃を受けた地球。主人公のケイジ少佐は、戦線で殺されるたび出撃前日へと逆戻りする。そしてその失敗から学び、次の行動や戦略に活かしていく。
 タイムループが単なるギミックに留まらず、将校のくせに実戦経験ゼロの軟弱な卑怯者だった主人公が、ループを重ねるごとに勇猛果敢な戦士へと成長していくための仕掛けとして有効に機能している。臨場感溢れる戦闘シーンのダイナミズムや過酷な悲壮感も期待以上の迫力だ。
 戦争はゲームなんかじゃない。だから、本気で命を賭ける度胸も覚悟もないヤツが関わるものじゃない。バトルゲーム的な設定でありながら、本質的にはそれを否定しているのが面白い。

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平沢 薫

大画面3Dを推奨!砲弾飛び交う戦場がスリリング

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 先日、ダグ・リーマン監督が、トム・クランシー監修の人気ゲーム「スプリンターセル」の映画化をオファーされたのは、本作の演出が評価されたからだろう。

 よくある設定、よくあるパワードスーツなのに、映画に引き込まれてしまうのはなぜか。まず、"繰り返し"の省略が巧い。ストーリーが無理なく転がるのが小気味よい。銃器やメカ類の鋼鉄の質感が、デジタル映像との相性抜群で、目に心地よい。

 さらに刺激的なのが、戦場の臨場感。異形の敵が思わぬ方向から急襲し、砲弾があらゆる方角から飛んでくる戦場は、何度も繰り返されるのに、その場にいるような生々しさ。この体感には、大画面3Dがオススメだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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