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るろうに剣心 京都大火編 (2014):映画短評

るろうに剣心 京都大火編 (2014)

2014年8月1日公開 139分

るろうに剣心 京都大火編
(C) 和月伸宏/集英社 (C) 2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

清水 節

スタッフ&キャストの熱気を帯びたグルーヴ感は前作を遙かに凌駕

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 アクションを通して各自のキャラを表現する振付けが深化した。剣心が再び剣を執るまでの心の変化を原作から自立する形で掘り下げてきた。ドラマ作家・大友啓史の本領発揮。あらゆる意味で“その後の龍馬伝”の様相を呈している。新キャラも申し分ない。時代に揺さぶりをかけるテロリスト藤原竜也の狂気に息を呑み、怪しく笑い続ける神木隆之介に魅せられ、土屋太鳳の上段回し蹴りに刮目し、田中泯の肉弾戦に驚嘆する。監督を中心としたスタッフ&キャストの熱気を帯びたグルーヴ感は、前作を遙かに凌駕する。キャメラが追う俳優陣のモーションに、スタッフのエモーションが乗りまくっている。『伝説の最期編』の達する高みが待ち遠しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

次作への壮大な予告編

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作同様、大友演出のドラマと谷垣演出のアクションのバランスの悪さは気になるが、今回も膨大なエピソードからのチョイスやアレンジは原作ファンを唸らせる。さらに、土屋太鳳や三浦涼介など、新たな参戦組が原作キャラを超えるほど素晴らしい。
冒頭の志々雄登場シーンは大友監督の指示から、しっかり『香港国際警察/NEW POLICE STORY』になったが、その後も原作が先ながら、宗次朗は『SPL/狼よ静かに死ね』のウー・ジンに、屋根を走る剣心や蒼紫VS翁は『捜査官X』のドニー・イェンとジミー・ウォングとシンクロする楽しみも。それにしても、これだけ見せ場が満載ながら、次作への壮大な予告編なのはスゴすぎ!

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なかざわひでゆき

後編へ期待を繋げるに十分な力作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 2ヶ月連続で劇場公開される2部作の前編。邦画の常識を覆す超絶アクションが見物だった前作だが、今回はスピード感もダイナミズムもさらにパワーアップ。大型活劇らしいカタルシスを存分に堪能させる。
 歴史劇としての重厚感、サスペンスとしての緊張感もまずまずだし、ハードなバイオレンスにも抜かりなし。打倒明治政府を目論む志々雄一味の計略には粗さが否めないものの、とりあえずまだ前半だし、各人の強烈なキャラで十分に補えるレベルだ。
 文句なしに当たり役の佐藤健が期待通りなのは勿論、神木くんの“微笑みの狂犬”ぶりと見事な殺陣がまた圧巻。古希目前とは思えない田中泯のアクロバティックな大立ち回りもアッパレだ。

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ミルクマン斉藤

リアルでシビアな歴史伝奇劇として面白い(ただし前編)。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作は「日本アクション映画のエポック作」となったが、今回は物語の質も変容、明治新政府成立の際の暗い澱が甦り、新政府自体を内部崩壊させていくという、今の情勢にも繋がる伝奇作品となっている。悪の権化たる志々雄も、立ち向かう剣心も、ともに「暗い澱」だという構造は相当に重厚だが、スピーディかつ鮮烈な谷垣ガチンコアクションが程よく中和。ちなみに世代でない僕は先日はじめて原作を読んだが、映画的アレンジもかなり巧み。 ただし、読者だけ行動の動機が納得できる数人の登場人物がいるのはやや難か (とりわけ蒼紫や宗次郎)。でもこれはあくまで前編、「伝説の最期編」を観てようやくまっとうに語れる作品ではあるだろう。

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平沢 薫

バトルの速度をアップして、かなり増量!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

バトルの動きが速い。一連の動作が終わった瞬間、次の動きのためのポーズが決まっているのが目に気持ちよい。

監督によれば、今回は"アクションによって登場人物を描く"がコンセプトとのことで、前作で評判がよかったアクションを強化したのは、続編として正攻法。たしかに人物によって、動き方が違う。ただこのコンセプトのため、バトルが多く、それぞれある程度の長さが必要になった。そこでコンパクト化されたのが、登場人物のキャラ描写。志々雄や蒼紫の過去は描かれるが、宗次郎の過去は描かず、彼の資質をアクションだけで描くというのは、大胆すぎる試みのような気も。観客は原作を知っているから問題ないか。

この短評にはネタバレを含んでいます
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