第67回ヴェネチア国際映画祭

金獅子賞のコッポラ、元カレで審査員長のタランティーノとガッツリ抱擁!

2010/09/12
金獅子賞のコッポラ、元カレで審査員長のタランティーノとガッツリ抱擁!
金獅子賞のソフィア・コッポラ、元カレで審査員長のタランティーノガッツリ抱き合うの図! - Photo:Harumi Nakayama

 第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門の受賞者、及び審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督の記者会見が現地時間11日に行われた。タランティーノ監督の元カノ、ソフィア・コッポラ監督『サムウェア』(原題)の金獅子賞受賞や、1作品に対して賞は1つという映画祭のルールを無視した選考、そしてコッポラ監督、特別獅子賞のモンテ・ヘルマン、男優賞ヴィンセント・ギャロ、新人俳優賞ミラ・クニスと4人の米国人に賞を与えて地元イタリア映画は無冠という結果に、タランティーノ監督が会見場に姿を見せるや記者からブーイングが飛んだ。対するタランティーノ監督も自慰行為をする仕草をしながら「お前たちにブーイングだ」と言い返して挑発。審査委員長の大人気ない態度に思わず笑いが起こったが、会見は受賞結果の説明を求める質問が次々とタランティーノ監督に投げかけられた。

【関連写真】第67回ヴェネチア国際映画祭コンペ作品

 まず、記者から「コッポラをはじめ、友人たちを選考するのは困難ではなかったか?」と問われたタランティーノ監督は「いや、難しくなかったね。ソフィアへの授与は、審査員全員一致だったんだ。彼女の作品は、最初のスクリーニングから日増しに僕たちの心を、感情を、魅了していったんだよ」と説明。今回、特例の特別獅子賞を与えたヘルマン監督についても、彼はタランティーノ監督のデビュー作『レザボア・ドッグス』をサンダンス国際映画祭で発掘した恩人として知られるが「ヘルマン監督からは多くのことを学ばせてもらった。だから彼のこれまでの全仕事に対して讃えたいと思ったんだ」と力説した。

 その一方で友人の三池崇史監督『十三人の刺客』は無冠だったことについて「審査員全員本当に気に入っていたんだよ。もう一つ賞があったらあげられたんだけどね」と、申し訳なさそうな表情を浮かべた。また、スペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の『ア・サッド・トランペット・バラード』に銀獅子賞(監督賞)と脚本賞を、ポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督『エッシェンシャル・キリング』に審査員特別賞と男優賞と、映画祭のルールを変更してまで1作品に2つの賞を与えたことについてはタランティーノ監督は「そんなバカげたルールに従ってちゃ審査員の仕事はできないと、(映画祭ディレクターの)マルコ・ミュラーにも変更を合意してもらったんだ。だって、映画はベストじゃないのに、その女優に女優賞をあげることができるか!? そんなルールいらない」とまくし立てた。

 そして最後に、会見場にコッポラ監督が金獅子の像を片手に姿を見せると立ち上がって拍手し、しっかり抱き合って受賞を讃える一幕もあった。ほかの審査員との協議の上とはいえ、受賞結果は全体的にタランティーノ色の濃いものとなった。

 ちなみに現地入りしているにもかかわらず徹底的に公の場に姿を見せることを拒否していたヴィンセント・ギャロは、授賞式会場に来ていたが最後まで登壇することはなかった。代わりにスコリモフスキ監督が男優賞のトロフィーを受け取ったが、「(審査員特別賞と)2つも賞をとるなんて予想していなかったな。言うまでもなく、一つ貰えることを期待していたんだが(苦笑)」と、金獅子賞を受賞できなかった無念さを、ちゃめっ気たっぷりに表現した。これで、2年前に『レスラー』が金獅子賞を受賞して見事な復活劇を遂げたミッキー・ローク同様に、『ブラウン・バニー』以降は低迷していたギャロにも明るい光が見えてきそうだ。(取材・文:中山治美)

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ヴェネチア映画祭、日本勢惜しくも受賞ならず!金獅子賞はソフィア・コッポラ監督『サムウェア』に!

2010/09/12
ヴェネチア映画祭、日本勢惜しくも受賞ならず!金獅子賞はソフィア・コッポラ監督『サムウェア』に!
ソフィア・コッポラ監督-第67回ヴェネチア国際映画祭 - Venturelli / WireImage / Getty Images

 第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門の受賞結果が現地時間11日に発表され、ソフィア・コッポラ監督の『サムウェア』(原題)が最高賞の金獅子賞に輝いた。日本からは松山ケンイチ主演、トラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』、役所広司主演、三池崇史監督『十三人の刺客』がコンペ部門に出品され好評を博していたが惜しくも受賞は逃した。

【関連写真】第67回ヴェネチア国際映画祭コンペ作品

コンペティション部門の主な受賞者、受賞作品は以下のとおり。

【金獅子賞】
『サムウェア』(原題)
ソフィア・コッポラ監督(アメリカ)

【銀獅子賞(監督に対して)】
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督 
『ア・サッド・トランペット・バラード』(英題)(スペイン、フランス)

【優秀男優賞】
ヴィンセント・ギャロ
『エッセンシャル・キリング』(原題)(ポーランド、ノルウェー、ハンガリー、アイルランド)

【優秀女優賞】
アリアン・ラベド
『アッテンバーグ』(原題)(ギリシャ)

【審査員特別賞】
『エッセンシャル・キリング』(原題)(ポーランド、ノルウェー、ハンガリー、アイルランド)
イエジー・スコリモフスキ監督

【マルチェロ・マストロヤンニ賞 / 新人賞】
ミラ・クニス
『ブラック・スワン』(原題)

【脚本賞】
『ア・サッド・トランペット・バラード』(英題)
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督

また、コンペ部門からは外れるが映画祭主催とは別に外部団体が企画したフューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワードにおいて三池崇史監督の『ゼブラーマン』『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』『十三人の刺客』が次点となった。

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『十三人の刺客』山田孝之をヴェネチアで直撃!初の海外映画祭参加で「侍役は日本人にしか演じられない優越感」

2010/09/11
『十三人の刺客』山田孝之をヴェネチアで直撃!初の海外映画祭参加で「侍役は日本人にしか演じられない優越感」
山田孝之−ヴェネチア国際映画祭にて(ひげは現在撮影中の映画の役づくりだとか) - Photo:Harumi Nakayama

 出演作『十三人の刺客』(28日公開)で第67回ヴェネチア国際映画祭に参加している山田孝之が、熱狂的な公式上映の興奮も冷めやらぬ現地時間10日、インタビューに応じた。

【関連写真】映画『十三人の刺客』写真ギャラリー

山田は新作映画の撮影の合間をぬって急きょ、ヴェネチア入りを決めたのだが、「映画祭の雰囲気から皆が本当に映画の事を愛しているのが伝わってくる。オレって良い仕事しているんだなぁって思えた。たまにはご褒美じゃないけど、こういう瞬間を味わってもいいんだなと思いましたね」としみじみ語るほど、初の海外映画祭参加を満喫しているようだ。

 山田は、『クローズZERO』シリーズに続いての、三池崇史監督作への出演となった。三池監督が海外で人気が高いことは噂で聞いていたが、目の当たりにするのは初めて。それは想像を上回るものだったという。「特に欧州でファンが多いと聞いていたけど、公式上映が終わったあとの鳴り止まない拍手を見て、皆、三池監督をリスペクトしているんだなと思いましたね」。

 その三池監督から山田は、熱いラブコールを受けて『十三人の刺客』に出演した。明石藩の暴君を暗殺するために集められた、幕府の御目付役・島田新左衛門(役所広司)を元とする13人の刺客たち。山田は新左衛門の甥・島田新六郎役で、三池監督が役所の次にキャスティングした精鋭だ。泰平の世に、死に場所を求めて暗殺計画に参加することになる侍たちの姿と、山田が持つ「大袈裟に言えば、生き場所というか、死ぬ場所を探しているように感じた」(三池監督)という独特な魅力が重なったのだという。山田は本格的な時代劇は初挑戦だったが、三池監督の期待に応えるべく馬術と殺陣の稽古に励むのはもちろん、撮影1年以上前から髪を伸ばして地毛で総髪を結い、まずは肉体から侍になるべく挑んだ。

 「ほかのキャストが月代のカツラを付けるというから、オレも普段帽子を被ればいいかと思って『剃りますか?』とスタッフに聞いたんですけど、『いや、そこまでしなくていいです』と。そのまんま結った感じがすごく自然だったので、このまま地毛でいくことになりました。でも自分の中で引っかかっていたのは、ちゃんとそこに生きているリアルな人間に見えるか。言葉使いは今と違うけど、なるべく自然に現代劇と時代劇のバランスを見ながら芝居していたという感じですね」。

 そしてラスト50分に及ぶ13人の侍VS.300人の明石勢による一つの宿場町を丸々戦場に変えての決戦は、“死闘”と呼ぶに相応しい。9日に行われた公式上映では、侍たちの頭脳的な戦術が決まるたびに観客が手を叩いて喜ぶ大盛り上がりとなった。10日付のイタリア紙「コリエレ・デラ・セーラ」が「『七人の侍』のリメイクのよう。三池監督が観客を楽しませようと作っていることが、見事なエンタテイメントにつながっている」と評した。

 「劇中の浪人・平山(伊原剛志)で『戦に卑怯も武士道もない』というセリフが好き。侍はキレイなイメージだけど、やっていることは殺人でテロ行為だから。きれいごとではなくそう言い切っているところが人間らしくて良いですね。それと同時に改めて思ったのは、この侍役は日本人にしか演じられないだろうという優越感。それを、ヴェネチアの会場で味わえたのはうれしかった」(取材・文:中山治美)

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清水崇監督、3D部門審査委員長として『アバター』『ヒックとドラゴン』に賞を授与!

2010/09/11
清水崇監督、3D部門審査委員長として『アバター』『ヒックとドラゴン』に賞を授与!
第67回ヴェネチア国際映画祭の大舞台で審査結果を発表する清水崇監督 - Photo:Harumi Nakayama

 清水崇監督が審査委員長を務めた、第67回ヴェネチア国際映画祭がこの1年間にイタリアで公開された優れた3D映画を選ぶ「ヴェネチア3Dアワード」が現地時間10日に発表され、ジェームズ・キャメロン監督『アバター』とディーン・デュボア&クリス・サンダース監督の『ヒックとドラゴン』の2作が選ばれた。残念ながら両作品の監督は現地入りしなかったが、代理人に清水監督から記念の盾が渡された。

【関連写真】映画『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』場面写真

 同賞は3D元年の昨年に新設され、第1回はジョー・ダンテ監督『ホール』が受賞。その際、授賞式でアジア圏初のデジタル3D映画『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』のフッテージ映像を披露して好評だった清水監督が、栄えある第2回目の審査委員長に選ばれた。受賞結果について清水監督は「今現在3Dは、フルアニメCGで使用されることが多いが、その技術はそこに収まらないと思う。まして親子&子ども向け作品だけでなく、正しく3Dの使い方をしている作品を選べればと考えました。その結果、3D技術に貢献したこの2作品を選びました。『アバター』は皆さんの予想通りだと思うが、『ヒックとドラゴン』はドラゴンが飛ぶシーンが素晴らしかった」と説明した。

 また授賞式では清水監督の『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』がイタリア初上映されたほか、「自分も観るのは初めて」(清水監督)という8日にクランクアップしたばかりの新作『ラビット・ホラー3D』(来年公開)の特別フッテージ映像も初披露された。劇中に登場するウサギの着ぐるみを被ってレッドカーペットを歩いて映画祭を盛り上げた清水監督は「『ラビット・ホラー3D』で主演している満島ひかりは、3D映画反対派なんです。だったらなんで映画に出たんだ!? っていう話ですけど(笑)、『アバター』を観てもう役者はいらないんじゃないかと思ったそうで、その気持ちは僕もわかる。僕ももともと3Dに興味があったわけじゃなく、子どもだましのギミックと思っていた。でも3D映画を撮った今は見解が変わり、映画を新しい分野に持っていってくれると信じています。その新しい分野を讃える賞を、こうして歴史ある映画祭で取り上げて賞を作るのは、映画の可能性を示していると思います」と語り、審査委員長の大役を無事に果たし終えた。(取材・文:中山治美)

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山田孝之も涙!『十三人の刺客』に拍手鳴りやまず主催者が静止!

2010/09/10
山田孝之も涙!『十三人の刺客』に拍手鳴りやまず主催者が静止!
(左から)ジェレミー・トーマス、山田孝之、三池崇史監督、役所広司。第67回ヴェネチア国際映画祭にて - Photo:Harumi Nakayama

 第67回ヴェネチア国際映画祭で現地時間9日深夜、三池崇史監督の映画『十三人の刺客』(9月25日公開)と『ゼブラーマン-ゼブラシティの逆襲』が連続で上映されて熱狂的な三池ファンが映画祭会場に集結。10日朝3時近くまで、映画祭は三池ナイトで盛り上がった。最初に上映されたコンペティション作品『十三人の刺客』の上映前から、会場は異様な熱気に包まれていた。満員御礼となった場内にまず、三池ファンとしても知られるコンペ部門の審査委員長クエンティン・タランティーノ監督が入ると、ヤンヤの喝采。続いて三池監督が、主演の役所広司、山田孝之、プロデューサーのジェレミー・トーマスと共に現れると、タランティーノ監督も観客と一緒になって立ち上がり拍手で彼らを迎えた。

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 その興奮は映画が始まっても変わらず。幕府の命令を受けて明石藩の暴君を暗殺することになった13人の刺客たちが、圧倒的な数を相手にあるときは弓で、またあるときは華麗な“二丁刀使い”で、またあるときは石という泥臭い武器を駆使して死闘を繰り広げる姿に、場内からは拍手と雄叫びと、そして時折笑いに包まれた。そしてエンディングロールに入り場内が明るくなると、拍手が鳴りやまない。次の上映のことを考慮した映画祭関係者に静止されるまで、約7分間もスタンディング・オベーションが続いた。その声に応えて笑顔で手を振る三池監督と役所に対し、山田は瞳を潤ませながら会場の雰囲気に酔いしれていた。

 上映後、三池監督は「今まで何度がヴェネチアに参加しているけど、一番反応が良かったかも。お客さんが楽しんで見てくれたのが何より」と頬を緩ませた。続いて役所も「(映画を見ながら)反応があったり、拍手があって、子供の頃に満員の映画館で大人たちが手を叩きながら見ていたのを思い出しましたね。改めて、映画の楽しさを教えて頂きました」としみじみ語った。そして山田は、目を赤くしていたことを「映画を見ていたから(赤くなった)」と言い訳しつつ、「またヴェネチアに来られるように(仕事を)頑張りたい」と気を引き締めていた。

 受賞結果は11日に発表。三池監督は映画祭会場でタランティーノ監督とよく擦れ違うそうだが、三池監督の映画『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』にタランティーノ監督が出演するなどお互い良く知る間柄だけに「(会うと)ちょっと気まずいですね(苦笑)。でも、彼は映画を観ることにかけては、世界で指折りの観客の1人だから、自分が楽しんだかどうかが審査の基準になるのでは」と冷静に語った。

 引き続き三池監督は休む間もなく、『ゼブラーマン-ゼブラシティの逆襲』の上映会場に駆け付けた。観客の「ゼブラーマン!ゼブラーマン!」のシュプレヒコールを浴びながら、三池監督は馬のお面を被って颯爽(さっそう)と登場。観客は、脚本家の宮藤官九郎が繰り出すシュールな笑いに大爆笑しながら、すっかりゼブラーマンの世界に魅了されている様子だった。(取材・文:中山治美)

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