トラウマ級ホラー再び!9月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

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 今月の5つ星映画は、挑戦的ホラー、若手実力派集結作、インドのお受験映画、口コミから始まった話題作、人気ドラマの映画化作。これが9月の5つ星映画5作品だ!

『ゲット・アウト』監督による挑戦的ホラー再び

アス
(C) 2018 UNIVERSAL STUDIOS (C) Universal Pictures

アス』(9月6日公開)

 人種差別を背景に描いたホラー映画『ゲット・アウト』で世界中に名を知らしめたジョーダン・ピール監督の新作は、“自分自身と向き合う恐怖”を活写。カリフォルニア州サンタクルーズで夏休みを過ごす黒人家族の前に、自分たちにそっくりな不気味な家族が現れ、一家を恐怖の渦へと巻き込んでいく。アメリカ現代社会が抱える闇に切り込みながら、得体の知れない恐怖を描いたピール監督の才能が、本作でも惜しみなく発揮されている。“赤色の作業着+裁縫ばさみ”というビジュアルは不条理すぎて、破壊力バツグンの恐怖を表現しているところはさすが。ホラー演出とコメディー要素の割合も絶妙。主人公の女性とうり二つの人物を演じ分けたルピタ・ニョンゴの怪演はトラウマになるほどで、彼女の笑い声は一度聞いたら忘れられないほど不気味だ。ラストまで展開が読めない本作は、『ゲット・アウト』に続くピール監督の独創的かつ挑戦的なホラー映画となっている。(編集部・倉本拓弥)

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切なくて美しい!幻想的な映像

いなくなれ、群青
(C) 河野裕/新潮社 (C) 2019映画「いなくなれ、群青」製作委員会

いなくなれ、群青』(9月6日公開)

 いま最も勢いのある俳優・横浜流星が主演を務める本作は、河野裕の小説「階段島」シリーズの1作目を映画化した青春ファンタジー。ヒロインを飯豊まりえが演じ、矢作穂香松岡広大黒羽麻璃央ら若き実力派がそろった。胸を打つのは、繊細で、常にどこか切なさを漂わせる映像の幻想的な美しさ。新鋭・柳明菜監督の強いこだわりが随所に感じられる。劇中音楽をアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズ、「物語」シリーズなどの神前暁が担当しており、映像と音楽の調和が心地よい。小林武史プロデュースによるSalyuの主題歌も作品の世界観に寄り添うだけでなく、イメージをふくらませる作用を担っている。大ブレイク中の横浜は、若手でありながらこれまでの経験をたしかな実力に変えており、悲観主義の主人公という難しい役どころをしっかりと自身に落とし込んでいる。横浜が発するモノローグの声の響きは特に印象的で、観客を物語に自然に誘うだけの説得力がある。飯豊も真っすぐで凛々しい少女役がイメージにぴったり。叙情的なセリフのひとつひとつが心に残り、それをつむいでいく横浜、飯豊の若い才能がきらりと光る。(編集部・小山美咲)

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お受験狂騒は世界共通!

ヒンディー・ミディアム

ヒンディー・ミディアム』(9月6日公開)

 インドを舞台にした本作は、私立の名門校に娘を合格させようと躍起になる夫婦の悲喜こもごもを描くお受験ドラマ。お金に不自由のない商人ラージは、妻ミータの希望で娘のピアを小学校受験させることを決意するが、商人であることや下町に住んでいることから合格は無理だとお受験予備校で冷酷過ぎる現実を突きつけられる。受験に疑問を持ち公立校で十分だと考えるラージだが、ミータが私立の名門校に固執するのは、机も椅子もない劣悪な環境の公立校では十分な教育を受けられないことを知っているからだ。インドで上流層になるためには、一握りの名門校に合格するしかない教育事情や社会格差の闇に切り込み、子どもの将来を心配するという万国共通の親の悩みをユーモラスに描く。『スラムドッグ$ミリオネア』などで知られるイルファン・カーンが妻に振り回されながらも、愛する家族のために奔走する父親を熱演。自分や自分の家族だけが幸せになることが本当の幸せなのか、何が人を豊かにするのかを改めて考えさせられる。(編集部・梅山富美子)

優しい眼差しで切り取られた現代ティーンの成長痛

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ
(C) 2018 A24 DISTRIBUTION, LLC

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(9月20日公開)

 4館から1,084館に公開拡大されたほど口コミで話題を呼んだ本作。主人公の少女ケイラは中学校卒業が迫るなか、クラスで最も無口な子に選ばれてしまう。そんな彼女が、さえない現状を変えようと必死に努力する姿を描き出す。本作の特徴の一つは、ケイラがジェネレーションZ世代であることだ。デジタルネイティブなこの世代にとって、YouTubeやInstagramでの評価は現実世界での自分の価値と結びついている。だからケイラは食事のときですらスマホを離さず、自分がアップした動画の再生数の少なさに落胆し、セルフィーを撮るときにはニキビを隠すかのようにフィルターで美白加工をする。生活を彩るはずのSNSに逆に浸食されてしまっている今の子供たちのリアルを繊細な描写の積み重ねで表現するボー・バーナム監督の手腕が光るが、これが映画監督デビュー作というのだから驚きだ。ケイラが体験するティーンの成長痛は確かにヒリヒリとしたものだが、バーナム監督の眼差しはあくまで優しく、ケイラと父親が本音で語り合う終盤のシーンはその温もりを象徴している。本当の“クール”とは一体何なのか? クールになりたいと憧れるティーンだけでなく、思春期を経験した大人の胸にも突き刺さるはずだ。(編集部・吉田唯)

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蒼井優の女優魂に圧倒される

宮本から君へ
(C) 2019「宮本から君へ」製作委員会

宮本から君へ』(9月27日公開)

 1990年代の連載当時、漫画「宮本から君へ」の物議をかもした後半エピソードを映画化した本作。主人公の熱血新人サラリーマン・宮本浩(池松壮亮)が、恋に仕事に無様に奮闘する日々を描いたドラマ版(テレビ東京で2018年4月クール放送)に対し、映画版では宮本と、彼が先輩・神保(松山ケンイチ)を介して知り合った女性・中野靖子(蒼井優)の2人を軸にした愛の物語が展開する。恋人同士になった2人を襲った事件は、最悪のシチュエーションで勃発。監督が『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也とあって、彼らの「痛み」が生々しく伝わってくる。また、2人の愛憎を体現した池松と蒼井の演技バトルもすさまじい熱量で、これを見てしまうとドラマ版はプロローグに過ぎないと思えるほど。宮本のキャラクターにとりわけ深い思い入れを持つという池松の熱演もさることながら、白石和彌監督作『彼女がその名を知らない鳥たち』に続いてハードな役どころに挑んだ蒼井の女優魂を称えたい。(編集部・石井百合子)

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