上州の絹商人佐野次郎左衛門(中村勘三郎)は商いのため、下男の治六(中村勘九郎)と共に江戸に出てきていた。二人は旅の土産話にでもと桜が咲き乱れる吉原へと足を踏み入れ、念願だった花魁道中を見物して帰ることにする。ちょうどそのとき、吉原一の花魁とうたわれる八ツ橋(坂東玉三郎)の道中を見掛けた次郎左衛門は、彼女のあまりの美貌に心を奪われてしまう。