大正時代、学生の花村紅緒は、いいなずけの伊集院少尉に反感を持っていたが、やがて惹(ひ)かれ合う。やがて少尉は戦地で消息不明になるが、彼が生きていると信じる紅緒の前に、少尉とうり二つのロシアからの亡命貴族サーシャ・ミハイロフが現れる。彼女のことを全然知らないそぶりのサーシャにショックを受けた紅緒は、自分が働く出版社の編集長・青江冬星に励まされ……。