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『ロケットマン』タロン・エジャトン 単独インタビュー

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『ロケットマン』タロン・エジャトン 単独インタビュー

全てがつながって実現した映画

取材・文:編集部・市川遥 写真:日吉永遠

奇抜なステージと強烈な個性で知られる歌手エルトン・ジョンの半生を、きらびやかなミュージカルファンタジーとして映画化。途中で解雇されたブライアン・シンガー監督に代わって『ボヘミアン・ラプソディ』を完成させたことでも知られるデクスター・フレッチャー監督がメガホンを取り、心身共にエルトンを表現した『キングスマン』のタロン・エジャトンが圧巻の美声を響かせる。初来日を果たしたタロンが、カンヌ国際映画祭での感動的なお披露目から制作の裏側まで明かした。

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『ロケットマン』はこうして実現した!

タロン・エジャトン

Q:あなたは『イーグル・ジャンプ』でデクスター・フレッチャー監督とタッグを組んでいて、アニメーション映画『SING/シング』ではエルトンの楽曲を歌い、エルトンは『キングスマン:ゴールデン・サークル』にカメオ出演していて……。こうした全てがつながった結果、本作が実現することになりましたね。

それって本当にすてきなことなんだ。もし誰かとの仕事を楽しんだのなら、次の機会を見つけられるのは素晴らしいこと。デクスターと僕は『イーグル・ジャンプ』で本当に素晴らしい時間を過ごしたし、僕はあの映画をとても誇りに思っているから、お互いにまた一緒に仕事をしたかった。そして『ロケットマン』の話が持ち上がったのは、エルトンが『キングスマン:ゴールデン・サークル』の撮影をしている頃だった。本作は『キングスマン』の監督であるマシュー(・ヴォーン)の制作会社が作ったわけだしね。だから全てがとても美しく一つになったんだ。デクスターと僕はとても親しくて一緒に仕事をするのが好きだから、将来的にもっとタッグを組むことになると思う。願わくばね。

バーニー・トーピン役のジェイミー・ベルは完璧

タロン・エジャトン

Q:本作のお披露目は第72回カンヌ国際映画祭で行われましたね。記憶に残る経験になったのでは?

観客はスタンディングオベーションをしてくれて素晴らしかったんだけど、すごくよく覚えているのは、彼らが「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」のシーンの後で大きな拍手をしてくれたことなんだ。とてもクールで、記憶に残る瞬間だった。華々しいナンバーではなくて、ただ僕がピアノで弾き語りをするシーンで拍手が起きたから、感激しちゃって。エルトン、バーニー・トーピンの隣の席で、彼らがどう反応するかわからなかったからとてもナーバスになっていたけど、二人はとても気に入ってくれて、会場も素晴らしい雰囲気だった。上映の後でエルトンと一緒に浜辺で歌を披露したのもとてもクールだったよ。

Q:「ユア・ソング」のシーンもそうですが、作詞家バーニー・トーピン役のジェイミー・ベルとのケミストリーが素晴らしかったです。

ジェイミーは素晴らしい人間で、すごい俳優。彼はこの役に本当に完璧だったと感じた。二人の友情はこの映画のとても重要な部分だけど、彼となら簡単にそれを形にすることができたんだ。

「アイム・スティル・スタンディング」のシーンはアドリブ!

タロン・エジャトン

Q:歌で物語を語るという点に、難しさは感じませんでしたか?

いいや、本当に楽しんでできたよ。歌うのが大好きなんだ。うまくやれば、ミュージカルというのは物語を語る素晴らしい方法になる。だって、歌はとても感情豊かで、人を感動させることができるからね。

Q:あなたが廊下を歩きながら「アイム・スティル・スタンディング」を歌うシーンには本当に感動しました。

あの日、僕たちは何をするか決めていなかったって知っていた?(笑)音楽もなかったし、計画もなくて、ただ僕がいただけ。振り付けもなくて、僕がふざけてやった。全部即興だったんだよ。

Q:すごい……! 別のシーンですが、エルトンのニカっと笑う“作り笑い”もすごくうまく捉えているなと思いました。

あれは自分を守るため、本心を隠すための笑顔だと思う。鏡の前で笑顔を練習するシーンは脚本には書かれていなくて、自然に生まれたものなんだ。(※すかした態度・声色に変えて)僕が付け加えたものの一つなのさ。フフフ(笑)。

Q:そういう風に付け加えることはよくあるんですか?

ううん(笑)。あれはシーンの準備をしている時にただ僕がちょっとふざけたんだけど、デクスターが気に入ってくれたんだ。

カットされたダンスシーン

タロン・エジャトン

Q:エルトンと恋人ジョン・リードの数年にわたる関係と生活を表現した「ホンキー・キャット」のミュージカルシーンはとても華やかでした。実際の撮影はどんな感じだったのでしょうか?

ジョン・リードを演じたリチャード・マッデンとは本当にいい友達になれたよ。「ホンキー・キャット」のシーンもすごく楽しかった。どんどん違う衣装に着替えて、たくさんの異なる場所が舞台になるシーンだから、曲とそのほかの要素が全てうまくいくようにするのがかなり大変ではあるんだけど、それも楽しくて。本当に楽しかったから、仕事だとは感じなかったな。

Q:もともとの「ホンキー・キャット」のシーンは、本編にあるものより長かったんですよね?

そう、もっと長かった。最後にダンスシーンがあったんだよ。削除されちゃったけど、多分DVDに入るんじゃないかな? ダンスシーンがあると、このナンバーが長すぎると観客に感じさせてしまうからカットしたんだと思う。僕はいい判断だったと思っていて、デクスターはこの部分を少しは残せたかもしれないけれど、カットできるならそうした方がベストってことが多いからね。

Q:本作では素晴らしい仕事を成し遂げました。次はどんなことをしたいですか?

またいつかミュージカル映画をやるのはいいと思うな。歌うのは好きだし……。あとは悪役を演じたいかも。あんまり感じのよくない人を演じてみたい。演劇もやりたい。先に演劇をやりたいけど、舞台ミュージカルもいつかね!


タロン・エジャトン

大スクリーンで観ていた人にインタビューで会うと「思ったよりも小さいんだな」と感じることが多いのだが、タロンはすごく大きかった……! 体格がめちゃくちゃいいのに気さくで威圧感はなく、水を持ってきたスタッフにも目を見てしっかり感謝を伝え、インタビュー後にすれ違っても「さっきはありがとう」と声を掛けてくれる気配りの人だ。この性格と即興だってお任せあれの演技力、そしてエルトンの楽曲すら自分のものにして歌いこなす歌唱力を持っているとあれば、製作陣が彼と何度も仕事をしたくなるのもうなずける。

映画『ロケットマン』は8月23日より全国公開

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