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女神は二度微笑む (2012) 映画短評

2015年2月21日公開 123分

女神は二度微笑む

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

轟 夕起夫

ドンデン返しも凄いけど、そのドンデンの余韻が大事

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 人はついつい先入観を持つ。ここでまた、「クライマックスはインド三大祭りのひとつ、“ドゥルガー・プージャー”のエキサイティングな祝祭空間で、それは単なるローカリズムではなく本質的なテーマを宿している」などと記すと余計な先入観を与えてしまうのでは……と構えてしまう。でもきっと大丈夫。この映画、ミスディレクションと広げに広げた“大風呂敷”の畳み方にワザがあり、「先入観を持った自分ごと」、最後はひっくり返されるのが心地よいのだ。キーとなる危険人物の名は“ミラン・ダムジ”。その語感がイカしてる。脳裏に引っかかって、心の中にぶらさがる。あの“カイザー・ソゼ”という魅惑の響きを初めて耳にした時のように。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

どう転んでいくのか予想不能、超A級のサスペンス!

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヒンディー語映画だが舞台はベンガル語圏のコルカタ。言葉も満足に通じない土地でいわば探偵役として奔走する主人公は妊婦で危なっかしいし、中央情報局員は陰険そのもの、メガネ小太りで頭頂ハゲを誤魔化したヒットマンは不気味で怖い。主人公の助手役を務める新米警官ラナの秘かな思慕にやや和むが、最後までサスペンスの糸は張り切ったまま。ちなみにラナ役俳優の祖父はベンガル芸術映画の巨匠リッティク・ゴトクだそうで、そんなところに歌も踊りもないインド映画へのリスペクトが籠められてるのかも。すべての「物語」が終わって腑抜けのようになった頭に、御大アミターブ・バッチャンの歌声(作詞作曲は詩聖タゴール!)が染みます。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

ヒッチコック映画を思わせるインド製サスペンス

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『めぐり逢わせのお弁当』で改めて注目された“歌わず、踊らず”路線のインド映画から、またしても快作が。こちらは、なかなかエッジの効いたサスペンスだ。

 失踪した夫の行方を探るべく英国からインドへやってきた妻の奔走劇は、真相が明かされるにつれてスリルの色を濃くしてゆく。臨月という設定からくるか弱さと、精神的な芯の強さを感じさが味となる、その姿はハードボイルド・ヒロインと呼ぶにふさわしい。

 強気のヒロインとお人好しの現地警官の交流は、そんな中で一服のユーモアとして機能する。緊張感と笑いが絶妙のバランスで結びついた語り口はインド映画というより、ヒッチコック作品のイメージに近い。面白い!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

踊らず、うたわず。しかもヒロインが超タフな新感覚インド映画!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

行方不明の夫を捜しにコルカタにやってきた妊婦ヴィディヤが、お人好しの警官の助けを借りながら東奔西走! といっても人情話じゃなく正当派ミステリーで、オウムによる無差別テロ事件を彷彿させる冒頭からもう伏線バリバリ。夫を探し始めるヴィディヤが遭遇する人々は敵味方が入り乱れているし、謎が謎を呼ぶ仕掛けでこちらの想像力を煽る演出もエキサイティングだ。インド映画らしい踊りも歌も一切使わず、ストーリーテリングで押し切ったのが新鮮だ。ただインドの女神ドゥルガーが立派な伏線として使われるあたりがインドっぽさか。ヒロインが超タフなのもインド映画には珍しく、個人的にはフェミニズムの浸透とうれしくなった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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