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マイ・ブロークン・マリコ (2022) 映画短評

2022年9月30日公開 85分

マイ・ブロークン・マリコ
(C) 2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

なかざわひでゆき

あまりに過酷な世界で、お互いの存在が全てだった女同士の友情

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 父親に虐待され恋人からも暴力を受け、心の壊れてしまった女性マリコが自殺を遂げた。自身もブラック企業で日々酷使されているシイノは、唯一の親友を救えなかったことに自責の念を覚え、マリコの遺骨を奪って旅に出る。その脆さゆえ周りの男からサンドバッグにされ続けたマリコ、その強さゆえ男に見くびられぬよう生きてきたシイノ。男性社会の過酷な環境下で、お互いの存在が全てだった女同士の友情。それすらも失ったシイノが、湧き上がる怒りと悲しみの果てに、地を這いつくばってでも生きることこそが親友への弔いになると気付く。それは、恐らくマリコだけでなく、傷つき敗れた全ての女性への弔いでもあろう。実に力強い女のドラマだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

“壊れた女”と“壊れない女”の絆に、何を見るか?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 虐待を受け続けて“壊れた”と語る女性と、そんな彼女に慕われ、友情を育んできたアウトロー女子。“壊れた”ことのない後者が、前者の突然の自殺に心を揺さぶれる。そこに、このドラマの面白さがある。

 “なぜ私を置いて逝ったのか?”“なぜ、何も相談してくれなかったのか?” そんなヒロインの惑いに寄り添った構造。無駄を省き、必要な逸話だけで構成したタナダ監督のソリッドな話術が光る。原作と同様に余白を残したラストもイイ。

 ガラは悪いが根は優しい主人公を、永野芽郁が演じているが、彼女がこれまでふんしてきた役とかけ離れていることに驚いた。ブラック企業の上司に言い負けないキャラの妙演も面白い。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

原作コミックの持つドライヴ感を映像化

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

愛煙家のやさぐれキャラであるシイノを演じる「ちょっとムリしてんな」感が、物語が進むにつれて薄れてくる永野芽郁。片や、キャラ設定的に『君は永遠にそいつらより若い』のイノギが見え隠れする奈緒も、次第にメンヘラ極まりないマリコにしか見えなくなる。それだけ、2人の役に対する気迫に引き付けられていくのだが、原作コミックの持つドライヴ感をそのまま映像化し、85分に収めたタナダユキ監督の原作愛&力量もハンパない! “永野芽郁版『百万円と苦虫女』”程度の軽い気持ちで観ると、ヘヴィすぎるマリコの過去などからガツンと喰らうかもしれないが、今年の日本映画において忘れ難い一本になることは間違いない。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

絶対的な存在との旅

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

朝ドラ以来となる永野芽郁と奈緒の最新共演作はまたちょっと違ったテイストの友情の映画でした。
振り返って見て、これ以上ないだろうという、友情という言葉をさらに上回ってくる関係性の二人。
片方は生き、片方は死んでいますが、その存在感は絶対的なもので、その二人の旅は、二人の関係が次に進むために必要不可欠な旅でした。
タナダユキ監督は、決して満たされているとは言い切れない現代を生きる人々を描くのが本当に巧いです。
偶然、旅先で出会った釣り人を演じた窪田正孝がいいアクセントになっていました。

この短評にはネタバレを含んでいます
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