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ソングバード (2020) 映画短評

2022年10月7日公開 84分

ソングバード
(C) 2020 INVISIBLE LARK HOLDCO, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.8

なかざわひでゆき

コロナ禍の管理社会で反旗を翻す者たち

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 コロナ禍のロックダウンが終息しないまま4年目に突入し、強力な変異株の蔓延で半ば廃墟と化した’24年のロサンゼルス。感染者は隔離施設に強制収容され、ルールに従わなければ排除されるという状況下、政府の厳格な管理体制に反発した者たちが自由を求めて反旗を翻す。いやあ、これが全米公開時の2年前ならまだ少しは説得力があったかもしれないが、しかしあまりにもストーリーが安直すぎるため、当時は撮影に様々な制約があったという事情を差し引いても出来が良いとは言えないだろう。ただ、たとえパンデミック下であってもルールの強制は嫌だ!自由にさせろ!というリバタリアン的メンタリティを垣間見れるという意味で興味深くはある。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

パンデミック初期に広がった終末のイマジネーション

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 緊急事態宣言の初期、先が見えなかった当時の不安を思い出させるに十分。ロックダウン明けのニューノーマルの元で作られたとのことだが、それも納得。

 M・ベイ率いるプラチナムデューンズらしい機動力重視の製作体制。描かれるディストピアは、ペスト並の感染&致死力がある伝染病に覆われ、絶望感が渦を巻く。が、本作はサバイバル劇というより、むしろラブストーリー。触れ合えない恋人たちの切なさが印象に残る。汚れた世界で、ヒロインをひたすら綺麗に見せる工夫もイイ。

 ヴィランの設定に説得力がないのは惜しいが、免疫者という新たな特権階級の存在は、富裕層との並びで興味深い。

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森 直人

映画産業の未曾有の危機から生まれた一種の怪作

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

舞台は2024年のLAだが、むしろわずか17日間で撮影されたという2020年7月(さらに米公開12月)のドキュメント――「ロックダウンされたハリウッドが生んだ想像力と危機感」の一例として観るべきではないか。コロナ禍の外出制限でほぼ誰も居ない都市空間を逆手に取る。マイケル・ベイのプロデュースワークでは異例のミニマムな作りとなった。

お話はディストピアSF定式の応用ゆえ、感染者が強制収容される隔離キャンプ「Qゾーン」等を広い比喩で読み替えることは可能。奇しくも2003年のSARSを扱った香港映画『七人樂隊』(ジョニ-・トー編「ぼろ儲け」)&台湾映画『アメリカから来た少女』と同時に日本公開される。

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くれい響

「COVID-23」によって引き裂かれた2人

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

プロデューサーを務めたマイケル・ベイが撮ったと思われるアクション・シークエンスもある(とはいえ、爆破なし!)、パンデミック・スリラー。独自の撮影法やコロナ禍のLAを捉えた映像といった話題性もあるが、これまでストーカー男をPOVで描く『ハングマン』や電気イスをめぐる超常現象を描く『悪魔の椅子』など、オリジナリティ皆無なホラーを撮ってきた監督&脚本家コンビの新作。そのため、「COVID-23」というワード以外、既視感ある群像劇が展開。ご都合主義に呆れるなか、主軸となるのは引き裂かれた男女のラブストーリーという意外性に★おまけ。「リバーデイル」のKJ・アパのファンなら満足できるかもしれない。

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猿渡 由紀

タイムリーなテーマのはずが

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

今作について最も面白いのは、L.A.がロックダウンされ、ゴーストタウン状態だった2020年7月に撮影し、状況が変わらないうちにと大急ぎで同年12月にアメリカ公開したこと。パンデミックが始まって以来初めて撮影に挑んだ映画で、キャストは、どうやって撮るのかという純粋な好奇心や映画の文化を存続しなければという使命感などから集まってきたのだろう。だとしても、このひどいストーリーと薄っぺらいキャラクターに目を瞑ったというのは不思議。都合が良すぎることや安っぽい昔のテレビドラマのような演出の連続で、84分しかないのに退屈してしまう。アメリカ公開時ですらリアリティがなかったが、ウイズコロナの今はなおさらだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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