ファーストキス 1ST KISS (2025):映画短評
ファーストキス 1ST KISS (2025)
ライター2人の平均評価: 4
またも、映画の神に愛された松村北斗
近年擦られまくっているタイムリープものだが、坂元裕二の手にかかると、ここまでウェルメイドなラブストーリーになるとは! とにかく『ラストレター』と「スロウトレイン」をかけ合わせたような松たか子演じる暴走ヒロインが絶妙で、ちょっとしたズル賢さも含め、細田守版『時をかける少女』<<<『ハッピー・デス・デイ』な趣。『夜明けのすべて』に続き、松村北斗は映画の神に愛されまくっているし、終盤に説得力あるセリフをかましてくれる両者の掛け合いも見事だ。個人的に塚原あゆ子監督作としてもベストであり、『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』のような拾いモノを見つけた感触だ。
松たか子のチャーミングさが抜群
長く倦怠期にあった夫が急死、残された妻はタイムトラベルする術を手にしたことで、夫の死を避けられるのではないかと過去で悪戦苦闘する。妻が夫と結ばれないために過去に戻って出逢うといかなり突飛な設定の話ですがそこは坂元裕二脚本ということでファンタジーでありつつ地に足もつけています。監督が目下勢いが止まらない感のある塚原あゆ子であるということも大きいと思います。現代と15年前という二つの年代のカップルを演じる松たか子と松村北斗、特に過去に戻って当時の夫と惹かれ合うことが不思議に見えない松たか子のチャーミングさは抜群です。