セキュリティ・チェック (2024):映画短評
セキュリティ・チェック (2024)ライター2人の平均評価: 3
年末年始の気分で観れば、ノンストップの仕掛けに豪快にハマる
旅行シーズンの巨大空港。ただでさえ慌ただしいのに、テロ行為を起こそうとする陰謀が進む、これ以上ないほと映画的舞台が整った。
ふだん空港を利用する人にはセキュリティレーンの“あるある”ネタが楽しく、一方で職員側の知られざる判断、空港機能を止めざるをえない理由も盛り込まれ、空港マニアは歓喜、そうでもない人は驚きとともにドラマに乗っていける感覚。あまりの急展開は確かにツッコミどころもあるのだが、勢いが優って最後まで飽きなかった。
「キングスマン」もそうだが、タロン・エガートンはスーパーヒーローより、どこか頼りなさもも含んだ“巻き込まれ型”が似合うことを今回、改めて証明する。キョドる目の演技が最高!
ひねりがたっぷり盛り込まれたストーリー展開だが
クリスマスイブが舞台のアクションスリラーながら、「ダイ・ハード」にはほど遠し。混雑する日の空港の裏側を見せる最初のほうは面白い。物語にはひねりがたっぷり用意されており、観客を楽しませようという意欲も感じられる。しかし、いくらポップコーン映画とは言え、あまりにリアリティのないことが多すぎて、せっかく高まりかけた緊張感は薄れていくばかり。ジェイソン・ベイトマンをはじめとする悪者も薄っぺらく、ニヤリと笑う場面など完全にステレオタイプ。主演のタロン・エジャトンと恋人役のソフィア・カーソンのケミストリーはゼロ。せりふもチープ。ジャウマ・コレット=セラが監督なのである程度期待しただけに、残念。