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栗原類、当局から処分を受けた監督が描く中国の「闇と欲望」に感嘆

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栗原類&ロウ・イエ監督
栗原類&ロウ・イエ監督

 中国でタブーとされる天安門事件や同性愛などを取り上げ、当局から5年間の映画製作禁止処分を受けたロウ・イエ監督が、禁止令解除後に中国に戻り、撮影した最初の映画『二重生活』の公開を記念して来日。26日に東京・渋谷アップリンクで行われた、ロウ監督のファンである俳優・モデルの栗原類とのトークイベントに登壇した。ロウ監督は「今年の問題が来年の問題であるかもわからないほど、すごいスピードで変化する今の中国社会のリアルな日常生活を描きたかった」と製作意図を語った。

栗原類&ロウ・イエ監督トークショーフォトギャラリー

 本作は、女性との不倫を繰り返す青年社長・ヨンチャオ(チン・ハオ)を中心とするミステリードラマ。彼と関係を持った女子大生が謎の死を遂げたことをきっかけに、妻や愛人、事件を追う刑事らの思惑が交錯する。第65回カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式招待され、第7回アジアン・フィルム・アワードでは最優秀作品賞ほか3部門で受賞した。

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 上映後、栗原が「自分の理想のために他人を犠牲にするという、人間らしい闇と欲望で登場人物たちが行動していく。これはフィクションなのか、実際の出来事なのか、はらはらさせられて、とても深いと思いました」と感想を述べると、ロウ監督は「この物語は、ある主婦が書いたブログをヒントにしました。登場人物は皆、現代の中国社会で話題に上るタイプの人ばかり。金持ちのボンボン、愛人、遊び感覚でホテルに行く今どきの女の子たち。ドキュメンタリータッチでありながら、視点にはこれまで(わたしが)使っていないフィクション的な部分もあります。ちょっと特別ですね」とにっこり。

 また撮影方法について「幼稚園のシーンなら、普段通りの幼稚園のスケジュールに、俳優たちに入ってもらい、親や子として演じてもらいました。食事シーンでは、(ヨンチャオの妻役の)ハオ・レイに実際に料理してもらった。彼女は本番までに3品のおかずを作ってくれましたよ」と明かす。

 劇中でヨンチャオは、二つの家庭でそれぞれ子をもうけ二重生活を続けている。「ヨンチャオは妻に隠れて二つの家庭を行ったり来たりし、川に架かる大きな橋をクルマで何度も渡ります。めまぐるしく劇的に変化する社会で、人々は何らかの方法で、自分を支えようとしていると思うんです」とロウ監督は語り、「モダンで金持ちの多いエリアと貧しいエリアが共存する武漢という都市で撮影できたのも幸いでした」と振り返っていた。(取材/岸田智)

映画『二重生活』は全国公開中

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